tawashiatsume

植物、主にサボテン・多肉植物。時々登山、時々お酒。

2017年 日本アルプス縦走・1日目~富山県の海岸から劔岳登山口まで~

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北アルプス劔岳、豪雪によって削られた岩山で日本百名山

 こんにちは。ブログのネタ不足のために、過去の長期登山を連載ですることにしました。

 今回は、今まで登った中で最も過酷だった日本アルプス縦走について書きたいと思います。

 日本アルプス縦走は、簡単に言うと富山県の海岸から3つのアルプス山脈を越えて静岡県の海岸まで歩くというものです。距離にすると約415 kmとのことです。

 隔年開催でTJAR (Trans Japan Alps Race、トランスジャパンアルプスレース)という、同様のコースを1週間以内に走破するレースがあり、それとほぼ同じコースを歩きました。TJARは過去にNHKで特集されたりしたのでご存知の方もいると思います。

 レースに出るのはやや面倒だったのと、山登りはあくまで自分が行きたい時に行きたい山に登るものだという信念があるので、自分1人で普通の山登りとして行い、レースでは通らない山も敢えて登りました。

日本アルプス縦走とは?

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中央アルプス

 日本アルプス縦走は、富山県の海岸から3つのアルプス山脈を越えて静岡県の海岸まで歩く約415 kmの登山です。

 コースを細かく見てみると、

富山県の海岸から北アルプス登山口まで (舗装道路、約30 km)

劔岳から上高地まで北アルプス縦走 (登山道)

北アルプス登山口から中央アルプス登山口まで (舗装路、約70 km)

中央アルプス縦走 (登山道)

中央アルプス登山口から南アルプス登山口 (舗装路、22 km)

仙丈ヶ岳から聖岳まで南アルプス縦走

南アルプス登山口から静岡県の海岸まで (舗装路、約80 km)

です。

 10日で歩くにしても、毎日40 km以上歩かなければならず、かつ食料やテントなどテント泊の登山用具も全て担がなければならないので非常にハードです。

 また、先ほどのTJARにはいくつかルールがあります。交通機関を使ってはならない、小屋で宿泊してはならない (テントか野宿)、などです。

 自分もそれにならい、「交通機関を使わないこと」「宿泊に小屋を使わないこと」「分割せずに1回で踏破すること」を決めてチャレンジすることにしました。

いざ挑戦!!

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南アルプス仙丈ヶ岳

 昔から山登りをしてテントを担いで登ったり冬山もやっていて、体力にはそれなりに自信がありましたが、それでも日本アルプス縦走はけた違いにハードで、常識を破らないとできないようなものでした。

 トレーニングや準備は後々書くと思いますが、数年間に渡るきついトレーニングやこれ以上ないような緻密な準備、運動生理学やトレーニング理論も学び、強い精神力を持つなど、総合的な鍛錬が達成には不可欠でした。

 2017年に達成しましたが、2016年に一度チャレンジして失敗しています (その時は半分の約200 km歩いた時点で足が捻挫気味になったので断念しました)。

 時期は、雪がなくなるべく天気が安定している8月に狙いを定め、自分の能力だとどんなに頑張っても10日ほどはかかると見て計画を練りました (期間が長くなると台風が来て中止にせざるを得ないので、これ以上長くできませんでした)。

 2017年8月9日のお昼から歩き始めることにし、当日の朝自宅を出発して、スタート地点である富山県滑川市の海岸に向かいました。

1日目 ~富山県の海岸から劔岳登山口へ~

 スタート地点の海岸に一番近い、富山県滑川市東滑川駅に8月9日の12時頃到着しました。天気は朝から土砂降り、よくなる気配はなし。

 レインコートを着て駅から5分ほど歩いて海岸へ向かいました。

 東滑川駅もそうでしたが、海岸も別段何もないので写真を撮る以外にすることもなく、すぐにスタートを切りました。

 1日目は、海岸から劔岳の登山口である馬場島 (ばんばじま)まで約30 kmの舗装路を延々と歩きました。

 始めの5 kmほどは民家やデイリーヤマザキ、自販機もある道路ですが、後半は山の中の谷沿いの舗装路です。

 この後半の山間の道、8月だったのでブヨという吸血性の昆虫が大量に発生していて非常に難儀でした (9月に入るとほぼいなくなります)。

 ブヨはかなりしつこくたかってくる (車の中に入っても車にアタックしてきます)ので、終始何十匹も自分の周りを飛んでいる状態でした。

 レインコートを着ていて常に振り払いながら歩いていたので刺されませんでしたが、雨もあり、この区間はほぼ写真を撮る余裕がありませんでした、、、。

馬場島に到着!

 山の中にポツンとある発電所を越えると馬場島まですぐでした。

 馬場島にはロッジとキャンプ場があり、この日は雨のせいかほぼ人がいない、、、。

 夕方には少し晴れてきて、翌日登る劔岳が見えたのでよかったです。

 2日目からはかなりの長時間行動になることが予想されたので、早く寝ることにしました。翌日は日付が変わる0時頃から登る計画を立てていました。

 「果たしてうまくいくのか?」

 不安と興奮が入り混じった気持ちを胸に、夕食を作って18時か19時にはとっとと寝てしまいました。

(2017年 日本アルプス縦走・2日目に続く)

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