多様な多肉植物、コノフィツム その3
春らしくなり、そろそろコノフィツム達が休眠のための準備を始めています。生き生きとした姿のコノフィツムを見られる季節が終わりに近づいてきました。
今期のコノフィツムの記事はこれで最後かな?
ともあれ、今回も各種のコノフィツムを紹介します。
↓前回の記事↓
毒々しい模様を持つ種類、コノフィツム・スタイネリ
この種類は、葉に点と線の模様が浮かびますが、模様がより細かく毒々しい印象を与えますね。よく日に当てると、葉の色も紫色を帯びてより不気味に見えます。
個人的には、蛇の肌の模様っぽいな~と感じました。
学名は𝑪𝒐𝒏𝒐𝒑𝒉𝒚𝒕𝒖𝒎 𝒐𝒃𝒄𝒐𝒓𝒅𝒆𝒍𝒍𝒖𝒎 '𝒔𝒕𝒂𝒚𝒏𝒆𝒓𝒊'。
現在では、コノフィツム・オブコルデルムと同種と扱われ、流通する名前としてコノフィツム・スタイネリとい呼ばれている種類です。
𝑪𝒐𝒏𝒐𝒑𝒉𝒚𝒕𝒖𝒎 𝒐𝒃𝒄𝒐𝒓𝒅𝒆𝒍𝒍𝒖𝒎 コノフィツム・オブコルデルムという種類は、現在では多くの種類が同種としてまとめられた種類で、葉の模様に産地差や個体差があります。
葉にほとんど模様が入らない系統、線の模様が入る系統、この系統のように複雑なパターンの模様が入る系統と、様々です。同じ種類かと思ってしまうほど模様の変化の幅が大きいです。
この系統はRR 992というフィールドナンバー付き。南アフリカ共和国の西ケープ州 (Western Cape)のケレスから北40マイルの地点 (40 miles North of Ceres)で採取されたとの情報がついています。
この系統の個体全てが写真のような模様の個体であるとは限りませんが、写真の個体に近い株を探している方はRR 992というフィールドナンバーがついた個体を探すとよいかもしれません。
血管のような赤い線の模様が入るコノフィツム
Y字状に二股に分かれた葉に赤い線の模様が入る種類、𝑪𝒐𝒏𝒐𝒑𝒉𝒚𝒕𝒖𝒎 𝒍𝒖𝒄𝒌𝒉𝒐𝒇𝒇𝒊𝒊 コノフィツム・ルックホッフィです。
葉の大きさはわずか高さ2 cmほどで小型ながら、顔を近づけてよく観察してみるととてもキレイな種類であることに気が付きます。
100円玉に収まりそうな小さい葉の中に、緻密なアートが詰め込まれてることに驚きます。
この個体は、ARM 1052というフィールドナンバーがついており、南アフリカ共和国の北ケープ州 (Northern Cape)のEngelspuntという場所で採取されたとのことです。
この系統は、葉の表面が凸凹していて赤い線の模様が明確なのが特徴です。
怒ったおじさんの頭に浮かんだ血管のよう??
コノフィツム・ルックホッフィも他の種類と同じく、葉の形や大きさ、模様の変化が大きいです。
もっと小さい系統や、点状の模様が入る系統など、色々流通しています。
中には、コノフィツム・ルックホッフィと近似種とされていた種類が、実は別の種類で新種だったという例もあります。
爽やかな香りがするピンクの花を咲かせるコノフィツム
最後に紹介するコノフィツムはやや変わっていて、夜咲きの香りのよい花を咲かせます。
夜咲きの植物は花の色が派手にならない傾向にある (夜咲く花は花の色が進化しにくいと考えられるため)のでピンク色の花は珍しいです。
学名は𝑪𝒐𝒏𝒐𝒑𝒉𝒚𝒕𝒖𝒎 𝒐𝒃𝒄𝒐𝒓𝒅𝒆𝒍𝒍𝒖𝒎 var. 𝒄𝒆𝒓𝒆𝒔𝒊𝒂𝒏𝒖𝒎 '𝒔𝒑𝒆𝒄𝒕𝒂𝒃𝒊𝒍𝒆' コノフィツム・オブコルデルムのケレシアヌム変種。
流通する過程ではスペクタビレという種名がつく時もありますが、有効な学名ではないようです (ケレシアヌム変種と区別するほど差がない)。
栽培について
コノフィツムの生育期は秋から春です。我が家では、生育期は強い日射の元で風通しよく栽培しています。水やりは表土が乾いてから3日~1週間ほどしてから水をたっぷりあげます。最低気温が5℃以下になる時は2週間に1、2回ほどの水やりの頻度ですが、秋と春のやや暖かい時期は1週間に1、2回ほど、よく乾くようであればもっと頻繁に水をあげています。
休眠期の夏は、断水気味に管理して風通しのよい明るい日陰に置いています。葉が小さい種類は、夏は完全に断水しない方が秋からの生育がスムーズな気がします。今回紹介した種類は、夏は完全に断水でも生き延びられると思います。
成長期と休眠期の水やりの頻度や量は、栽培環境や方法によって特に様々であると思いますが、今回の種類はオーソドックスな管理で育てられます (夏は断水)。