tawashiatsume

植物、主にサボテン・多肉植物。時々登山、時々お酒。

試しに黒バックでサボテンの写真を撮ってみた

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𝑴𝒂𝒎𝒎𝒊𝒍𝒍𝒂𝒓𝒊𝒂 𝒕𝒉𝒆𝒓𝒆𝒔𝒂𝒆 SB 493 [Mexico. Durango: Coneto Pass]

 今回は黒い背景でサボテンを撮る試みをしたので、それらの練習写真をあげたいと思います。

 事の発端は、日本のサボテン・多肉植物界隈で有名な重鎮のShabomaniac!さんのブログの記事でした。

 彼がブログの記事で、サボテンの本を出すからそのために黒バックでサボテンの写真を撮ろうと呼びかけをしていました。

 記事では黒バックの方が、サボテンの花がより引き締まって見えて映えるとのことでした (以下、ブログの記事↓)。

shabomaniac.blog13.fc2.com

 それなら、まず自分でも黒バックでサボテンを撮ってみようかね~ということで、何枚か試しにコンデジで撮ってみました。

 いつも通り、1種類ずつあげていきましょか。

明るいオレンジの花

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𝑹𝒆𝒃𝒖𝒕𝒊𝒂 𝒉𝒆𝒍𝒊𝒐𝒔𝒂 RH 291 [Bolivia. Tarija: Junacas, alt. 2,300 m]

 実物を見ても明るいオレンジカラーなのですが、黒背景だとより鮮やかに見えます。

 何より周囲の色が低彩度なので、花が目に飛び込んでくるような感じがしますね。

 写真のサボテンは、𝑹𝒆𝒃𝒖𝒕𝒊𝒂 𝒉𝒆𝒍𝒊𝒐𝒔𝒂 レブチア・ヘリオーサという種類で、RH 291 [Bolivia. Tarija: Junacas, alt. 2,300 m]というフィールドナンバーがついています。

 詳細は知りませんが、𝑹𝒆𝒃𝒖𝒕𝒊𝒂 𝒉𝒆𝒍𝒊𝒐𝒔𝒂の基準標本となった産地と同じ個体群と言われます。

燃える炎のようなレブチアの花

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𝑹𝒆𝒃𝒖𝒕𝒊𝒂 𝒉𝒆𝒍𝒊𝒐𝒔𝒂 RH 998 [Bolivia. Tarija: Palca Grande, alt. 2,550 m]

 少しピントが合っていないのはお許し願いたい、、、

 𝑹𝒆𝒃𝒖𝒕𝒊𝒂 𝒉𝒆𝒍𝒊𝒐𝒔𝒂 レブチア・ヘリオーサという種類の、真っ赤になる系統の花。購入先は𝑹𝒆𝒃𝒖𝒕𝒊𝒂 𝒉𝒆𝒍𝒊𝒐𝒔𝒂としていたけど、海外の業者によってはspとしているところもあります。

 花の色もトゲの様子も、1つ前の写真の𝑹𝒆𝒃𝒖𝒕𝒊𝒂 𝒉𝒆𝒍𝒊𝒐𝒔𝒂の基準産地の系統と結構違うので、「もしかしたら別種かもしれない」、そんな気持ちでもいます。

 フィールドナンバー自体は、RH 998 [Bolivia. Tarija: Palca Grande, alt. 2,550 m]というナンバーがついてます。

今度は白色光を当てて撮ってみた

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𝑹𝒆𝒃𝒖𝒕𝒊𝒂 𝒉𝒆𝒍𝒊𝒐𝒔𝒂 RH 998 [Bolivia. Tarija: Palca Grande, alt. 2,550 m]

 1つ前の写真は、電球色 (オレンジ色っぽい温かみのある色)の光を当てて撮りましたが、上の写真は白色光を当てて撮りました。

 電球色の方が自然環境での見た目のように見えなくもないですが、白色光の方が、花の質感が出ていると思います。

 この系統の花は、花弁にやや光沢があり実物の質感がシルクのようです。

紫色の大輪、マミラリア・テレサ

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𝑴𝒂𝒎𝒎𝒊𝒍𝒍𝒂𝒓𝒊𝒂 𝒕𝒉𝒆𝒓𝒆𝒔𝒂𝒆 SB 493 [Mexico. Durango: Coneto Pass]

 このサボテン、普段はしぼんだ麩菓子のような地味な見た目をしているのですが、花の時は誰もが驚きます。

 普段の見た目からは想像できないような、球体の直径より大きな紫色の花をいくつか咲かせます。黄色の葯もいい色のコントラストになっています。

 学名は𝑴𝒂𝒎𝒎𝒊𝒍𝒍𝒂𝒓𝒊𝒂 𝒕𝒉𝒆𝒓𝒆𝒔𝒂𝒆 マミラリア・テレサエで、SB 493 [Mexico. Durango: Coneto Pass]というフィールドナンバーの株です。

 もっとも、𝑴𝒂𝒎𝒎𝒊𝒍𝒍𝒂𝒓𝒊𝒂 𝒕𝒉𝒆𝒓𝒆𝒔𝒂𝒆は今でも最初の発見地以外では見つかっていないはずなので、フィールドナンバーで分ける意味もあまりありませんが。

比較的流通しているけど、野外では珍しい種類

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𝑴𝒂𝒎𝒎𝒊𝒍𝒍𝒂𝒓𝒊𝒂 𝒕𝒉𝒆𝒓𝒆𝒔𝒂𝒆 SB 493 [Mexico. Durango: Coneto Pass]

 写真はほぼ同じようなのをもう一枚載せてしまったので、𝑴𝒂𝒎𝒎𝒊𝒍𝒍𝒂𝒓𝒊𝒂 𝒕𝒉𝒆𝒓𝒆𝒔𝒂𝒆自体のことをもう少しだけ、、、。

 この種類、メキシコのデュランゴ州の1ヶ所の岩がちな斜面の岩の割れ目に生えているところを、1966年にペンシルバニア州シャロン (Sharon)のJohn BockさんとTheresa Johnさん夫妻が発見したんだそう。

 発見の翌年に、別の方が発見者の内、奥さんの名前を種小名にして𝑴𝒂𝒎𝒎𝒊𝒍𝒍𝒂𝒓𝒊𝒂 𝒕𝒉𝒆𝒓𝒆𝒔𝒂𝒆という学名で記載をしました。

 𝑴𝒂𝒎𝒎𝒊𝒍𝒍𝒂𝒓𝒊𝒂 𝒕𝒉𝒆𝒓𝒆𝒔𝒂𝒆は野外では球体はごく小さく、乾期は岩の隙間に潜り込むようにして縮んでしまうため、花でも咲いていないと非常に発見しずらいはずです。

 基準標本の採取日を調べると5月となっていたので、やはり花が咲いた時に採取したのかなと想像しました。

 メキシコの乾燥した岩の隙間からこんな紫色の花がピョコっと咲いていたら目立つし、砂漠のような岩山の中で見た人はとても驚いたんじゃないかな。

絵具の赤色のような、マット系の赤い花

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𝑹𝒆𝒃𝒖𝒕𝒊𝒂 𝒎𝒊𝒏𝒖𝒔𝒄𝒖𝒍𝒂 '𝒔𝒆𝒏𝒊𝒍𝒊𝒔' WR 706a [Argentina. Salta: El Manzana]

 こちらも冒頭の𝑹𝒆𝒃𝒖𝒕𝒊𝒂 𝒉𝒆𝒍𝒊𝒐𝒔𝒂に負けないくらい真っ赤な花。

 𝑹𝒆𝒃𝒖𝒕𝒊𝒂 𝒎𝒊𝒏𝒖𝒔𝒄𝒖𝒍𝒂 '𝒔𝒆𝒏𝒊𝒍𝒊𝒔' レブチア・ミヌスクラ (買った時の名前はレブチア・セニリス)というこの種類。

 𝑹𝒆𝒃𝒖𝒕𝒊𝒂 𝒎𝒊𝒏𝒖𝒔𝒄𝒖𝒍𝒂はいくつかのタイプが1つの種類に統合されたので、種内で花の色が白~ピンク~黄~オレンジ~赤~紫と幅広く、もはやどの色もある状態です。

 写真の系統は、WR 706a [Argentina. Salta: El Manzana]というナンバーのもの。

 これも黒背景だとマットな赤でも、目に痛いくらい鮮やかに見えますね。

薄いチョコレート色の不思議な花

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𝑺𝒄𝒍𝒆𝒓𝒐𝒄𝒂𝒄𝒕𝒖𝒔 𝒖𝒏𝒄𝒊𝒏𝒂𝒕𝒖𝒔 ssp. 𝒘𝒓𝒊𝒈𝒉𝒕𝒊𝒊 JRT 4311 [USA. Texas: Pecos Co., Glass Mts]

 最後の種類は長いカギ爪状のトゲが特徴のサボテン。

 ちょうど薄い茶色の花が咲いたので写真を撮りました。

 𝑺𝒄𝒍𝒆𝒓𝒐𝒄𝒂𝒄𝒕𝒖𝒔 𝒖𝒏𝒄𝒊𝒏𝒂𝒕𝒖𝒔 ssp. 𝒘𝒓𝒊𝒈𝒉𝒕𝒊𝒊 スクレロカクタス・ウンキナツスのウリグティ亜種という種類です。元々は𝑮𝒍𝒂𝒏𝒅𝒖𝒍𝒊𝒄𝒂𝒄𝒕𝒖𝒔 𝒘𝒓𝒊𝒈𝒉𝒕𝒊𝒊という名前で、アメリカのMesa Gardenで種子が売っています。

 系統は、JRT 4311 [USA. Texas: Pecos Co., Glass Mts]です。北米のサボテン・ユッカコレクターのJeff R. Thompson氏のフィールドナンバーです。欲しい方は是非探してみてください!

 それはさておき、一般的な花の色らしくない花が面白いですね。

トゲも新しい時は黄色を帯びてキレイ

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𝑺𝒄𝒍𝒆𝒓𝒐𝒄𝒂𝒄𝒕𝒖𝒔 𝒖𝒏𝒄𝒊𝒏𝒂𝒕𝒖𝒔 𝒘𝒓𝒊𝒈𝒉𝒕𝒊𝒊 JRT 4311 [USA. Texas: Pecos Co., Glass Mts]

 𝑺𝒄𝒍𝒆𝒓𝒐𝒄𝒂𝒄𝒕𝒖𝒔はトゲがキレイな種類が多いですが、この種類もトゲが出たての頃はレモンイエローでとてもキレイです。

 黒背景にすると、このトゲの色も表現しやすくなるので確かにサボテンの撮影に向いています。

 ちなみにスクレロカクタスは栽培が難しいことでも有名なサボテンですが、本種はまだ育てやすいイメージです。

 種子も普通に発芽し、腐りも風通しに注意していれば我が家では難しくない印象です。水やりをたった1回間違えただけで腐るような種類ではないと思います。勿論、普通のサボテンからすると、栽培に癖がありますが。

 今回はこんな感じです。

 黒背景は確かにサボテンが映えるように撮れるとわかったので、あとは撮影技術面で精進したいですね。

 個人的には黒バックの写真より、黒のTバックのオネエちゃんの方が好きかな。

まだまだ練習と知識が必要だし、やっぱり一眼レフを買わないとダメかな?

栽培について

 (今回は省略)

種の特徴

 (今回は省略)