tawashiatsume

植物、主にサボテン・多肉植物。時々登山、時々お酒。

𝑶𝒕𝒉𝒐𝒏𝒏𝒂 𝒄𝒂𝒄𝒂𝒍𝒊𝒐𝒊𝒅𝒆𝒔 オトンナ・カカリオイデスを巡る、植物学の古きストーリー

𝑶𝒕𝒉𝒐𝒏𝒏𝒂 𝒄𝒂𝒄𝒂𝒍𝒊𝒐𝒊𝒅𝒆𝒔 (Bokkeveld Plateau, Gifberg)

 今回はキク科の多肉植物、𝑶𝒕𝒉𝒐𝒏𝒏𝒂 𝒄𝒂𝒄𝒂𝒍𝒊𝒐𝒊𝒅𝒆𝒔 オトンナ・カカリオイデスにまつわる、植物学の歴史も関わる話を話題にします。

 

 𝑶. 𝒄𝒂𝒄𝒂𝒍𝒊𝒐𝒊𝒅𝒆𝒔というと昔は市場でも珍しい種類でしたが、近年は種子や株が割と普通に流通するようになりました。

 茶色くて直径数 cmに収まるような塊茎から青白いしゃもじ型の多肉質な葉を密生させる小型の種類は、似ている種類が他にない印象があり、シンプルなように見えますが、𝑶. 𝒄𝒂𝒄𝒂𝒍𝒊𝒐𝒊𝒅𝒆𝒔の種記載の歴史やそれに関連するストーリーは中々に複雑です。

 

 今回の記事は植物学の話が大半になるので、人によっては難解で退屈な内容に映るかもしれませんが、多肉植物の種に秘められたストーリーとして読んでいただけると幸いです。

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Seeds To Seeds: 種子からサボテンを育てて開花、結実まで

𝑬𝒓𝒊𝒐𝒔𝒚𝒄𝒆 𝒆𝒔𝒎𝒆𝒓𝒂𝒍𝒅𝒂𝒏𝒂 BCHK 1383、2023年の開花時

 以前からブログに載せていたこのサボテン、𝑬𝒓𝒊𝒐𝒔𝒚𝒄𝒆 𝒆𝒔𝒎𝒆𝒓𝒂𝒍𝒅𝒂𝒏𝒂 エリオシケ・エスメラルダナ。

 種子からサボテンを育てて開花させ、交配して結実させて種子を自分の家で採ることができました。

 実生の記録として何本かブログに記事を載せてきましたが、今回が最終回です。

 

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北米の可憐なスベリヒユの仲間、レウィシア・レディビバ

𝑳𝒆𝒘𝒊𝒔𝒊𝒂 𝒓𝒆𝒅𝒊𝒗𝒊𝒗𝒂 レウィシア・レディビバ。2020年5月に開花した時の写真。

 重い腰をあげて、久々のブログ更新です。今回は、気に入っている多肉植物の種類を種から育てて、開花、さらにはさらに種子を採ることができたので、その記念で書きます。

 

 紹介する植物は𝑳𝒆𝒘𝒊𝒔𝒊𝒂 𝒓𝒆𝒅𝒊𝒗𝒊𝒗𝒂 レウィシア・レディビバという種類で、北米大陸の主にシエラネバダ山脈周辺に自生する、ごくごく小型の多肉植物です。

 日本で畑の脇などに雑草として生えるスベリヒユの仲間であり、スベリヒユに似てレウィシア・レディビバも棒状~ヘラ状になる多肉質な葉を持ちます。

 しかし、地面から多肉質な数cmの葉を出す姿は変わっており、何より植物体よりも大きな花をたくさん着けてくれる美しい植物です。

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ついに開花! 𝑬𝒓𝒊𝒐𝒔𝒚𝒄𝒆 𝒆𝒔𝒎𝒆𝒓𝒂𝒍𝒅𝒂𝒏𝒂 エリオシケ・エスメラルダナの実生

𝑬𝒓𝒊𝒐𝒔𝒚𝒄𝒆 𝒆𝒔𝒎𝒆𝒓𝒂𝒍𝒅𝒂𝒏𝒂 BCHK 1383、種から育ててやっと開花

 久しぶりのブログ更新&以前、種から育てていたサボテンが開花したので、それについて投稿します。

 

 取りあげるサボテンは、𝑬𝒓𝒊𝒐𝒔𝒚𝒄𝒆 𝒆𝒔𝒎𝒆𝒓𝒂𝒍𝒅𝒂𝒏𝒂 エリオシケ・エスメラルダナという南米に産する小型のサボテンです。

 

 トゲはごく短く、ボディは黒味を帯びた紫色から茶色になり、小さなイボを持つ特徴的な姿は、一般的なサボテンのイメージとはやや異なり、人気の種類です。

 

 下記の、本種についての前回の記事の続編として書きます。

 

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今後出回ったらなぁと思う植物 ~サボテン編~

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𝑳𝒐𝒃𝒊𝒗𝒊𝒂 𝒋𝒂𝒋𝒐𝒊𝒂𝒏𝒂 'Anemone'、桃色の大輪は素晴らしい

 暖かくなって春の兆しが出て、さあこれから園芸のシーズンだな!と思いきや、仕事の都合でブログの更新はおろか、栽培の趣味もしばらくお休みいたします。

 

 数ヶ月程度で復活できるとよいけれど、数年かもっと長い時間がかかるかもしれないので、最後に「今後出回ったらなぁと思う植物」というタイトルで記事を書くことにしました。

 

 今回はサボテン編 (余裕あれば他の植物の記事も書きます)で、日本ではあまり出回っていないけど観賞価値があるといった理由から出回ってほしいと思うサボテンを紹介したいと思います。

 

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【2022年版】サボテン・多肉植物を買える国内のお店のまとめ

 この記事は、サボテン・多肉植物の株・種子を購入できる販売者の紹介記事です。有名なところや通販もやっていらっしゃる販売者の紹介をします。地域のホームセンターやサボテン・多肉植物に特化していない一般の花屋さん等は割愛させていただきます。

 

 2021年版の記事を、五十音順に並べ替えました。

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南米のアタカマ砂漠に生えるサボテン 𝑪𝒐𝒑𝒊𝒂𝒑𝒐𝒂 ~近年記載された新種~

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𝑪𝒐𝒑𝒊𝒂𝒑𝒐𝒂 𝒇𝒖𝒔𝒄𝒂 PHA 2508 [Chile. Coquimbo: Agua de Tongoy, alt. 261 m]、紫色を帯びた美しい種類

 新年あけましておめでとうございます!今年もよろしくお願いします!

 

 今回の記事は、日本でも人気なサボテン𝑪𝒐𝒑𝒊𝒂𝒑𝒐𝒂 コピアポアの中でも、近年新種発表された種類に焦点を当てたいと思います。

 

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