tawashiatsume

植物、主にサボテン・多肉植物。時々登山、時々お酒。

今後出回ったらなぁと思う植物 ~サボテン編~

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𝑳𝒐𝒃𝒊𝒗𝒊𝒂 𝒋𝒂𝒋𝒐𝒊𝒂𝒏𝒂 'Anemone'、桃色の大輪は素晴らしい

 暖かくなって春の兆しが出て、さあこれから園芸のシーズンだな!と思いきや、仕事の都合でブログの更新はおろか、栽培の趣味もしばらくお休みいたします。

 

 数ヶ月程度で復活できるとよいけれど、数年かもっと長い時間がかかるかもしれないので、最後に「今後出回ったらなぁと思う植物」というタイトルで記事を書くことにしました。

 

 今回はサボテン編 (余裕あれば他の植物の記事も書きます)で、日本ではあまり出回っていないけど観賞価値があるといった理由から出回ってほしいと思うサボテンを紹介したいと思います。

 

①𝑾𝒆𝒃𝒆𝒓𝒐𝒄𝒆𝒓𝒆𝒖𝒔 𝒕𝒖𝒏𝒊𝒍𝒍𝒂 (ウェベロケレウス・ツニラ)

 初っ端からほぼ流通しない種類です。

 私は持っていないので、下記の写真の引用を参考にしていただければと思います。

Weberocereus tunilla (F.A.C. Weber) Britton & Rose | Flickr

Weberocereus tunilla (F.A.C. Weber) Britton & Rose

 

 中米に産する着生する柱サボテンの種類で、細い茎から蝋細工のような目立つ花を咲かせる興味深い種類です。

 

 多くの着生と同様に花は香りを持つようですが、じゃ香の香りで余りいい臭いではないとのこと。そこも惹かれます。

 

 属名は𝑾𝒆𝒃𝒆𝒓𝒃𝒂𝒖𝒆𝒓𝒐𝒄𝒆𝒓𝒆𝒖𝒔と似ていますが、全く違う属なので探す人は注意です (

𝑾𝒆𝒃𝒆𝒓𝒃𝒂𝒖𝒆𝒓𝒐𝒄𝒆𝒓𝒆𝒖𝒔はたまに出回っています)。

 

 

 

②𝑹𝒂𝒖𝒉𝒐𝒄𝒆𝒓𝒆𝒖𝒔 𝒓𝒊𝒐𝒔𝒂𝒏𝒊𝒆𝒏𝒔𝒊𝒔 ssp. 𝒋𝒂𝒆𝒏𝒆𝒏𝒔𝒊𝒔 (ラウホケレウス・リオサネンシス・ヤエネンシス亜種)

 これも流通はほぼなし。知っているだけでも相当なオタクと思います。

 写真は下記のページを見てみてください。

 

 南米ペルーのやや標高が高い場所に生える柱サボテンで、カクカクとしたポリゴンみたいなイボが特徴的な種類です。

 

 もっと出回っていてもよいような種類ですが、Graham Charles氏が採取した系統の種子が本人経由で分譲されていたのを見たくらいで、種子の販売すら見かけないです。

 

 

 

③𝑴𝒂𝒕𝒖𝒄𝒂𝒏𝒂 𝒐𝒓𝒆𝒐𝒅𝒐𝒙𝒂 ssp. 𝒓𝒐𝒔𝒆𝒊𝒇𝒍𝒐𝒓𝒂 (マツカナ・オレオドクサ・ロセイフローラ亜種)

 これはたまに種子が海外の業者で売っている種類です。

 流通が少ないのは2010年に新種記載されたばかりだからでしょうか。

Matucana oreodoxa roseiflora. | robin fuller | Flickr

Matucana  oreodoxa  roseiflora.

 𝑴𝒂𝒕𝒖𝒄𝒂𝒏𝒂と言えば、雄しべがピュッと突き出たハチドリが受粉を媒介する独特の花の形が浮かびますが、コチラの種類は全く違う形です。

 

 ペルーの高山に産する、鮮やかなピンク色の花が素晴らしい種類です。

 

 原亜種の𝑴𝒂𝒕𝒖𝒄𝒂𝒏𝒂 𝒐𝒓𝒆𝒐𝒅𝒐𝒙𝒂 ssp. 𝒐𝒓𝒆𝒐𝒅𝒐𝒙𝒂も観賞価値が高い種類ですが、野外でも分布がかなり限られる種類故か、市場でもあまり流通していないようです。

 

 

 

④𝑴𝒂𝒕𝒖𝒄𝒂𝒏𝒂 𝒓𝒆𝒃𝒖𝒕𝒊𝒊𝒇𝒍𝒐𝒓𝒂 (マツカナ・レブティイフローラ)

 これもひとつ前の𝑴𝒂𝒕𝒖𝒄𝒂𝒏𝒂と同じく2010年に新種記載されたばかりの種類です。

 ペルーの高山で発見された種類で、これも通常の𝑴𝒂𝒕𝒖𝒄𝒂𝒏𝒂の花とは異なります。ハチドリではなく、蜂によって受粉が媒介されるようです。

 

 深紅の花は現地でも遠くから見て目立つようです。

 

 日本で出回っているのは見たことがないですが、たまに海外業者で種子が売られているのを見ます。

 

 

 

⑤𝑪𝒐𝒓𝒚𝒑𝒉𝒂𝒏𝒕𝒉𝒂 𝒓𝒐𝒃𝒖𝒔𝒕𝒊𝒔𝒑𝒊𝒏𝒂 ssp. 𝒔𝒄𝒉𝒆𝒆𝒓𝒊 (コリファンタ・ロブスティスピナ・スケエリー亜種)

 この種類は昔から知られていますが、日本では中々見ません。

  流通が少ないのは、野外でも元々珍しい種類であるのと、栽培がかなり難しいからだと思います (私も1回種を播いて失敗しています)。

 

 ですが、上の写真を見てもらえれば分かる通り、太く鋭いトゲを密生させる姿や大輪の花は観賞価値で優れています。何年かかけて種子から育てる価値があります。

 

 イボも大きく変わっているのですが、個人的にはイボの形も好みです。

 

 海外では𝑪𝒐𝒓𝒚𝒑𝒉𝒂𝒏𝒕𝒉𝒂 𝒔𝒄𝒉𝒆𝒆𝒓𝒊として売られていることも多いです。

 

 

 

⑥𝑳𝒐𝒃𝒊𝒗𝒊𝒂 𝒋𝒂𝒋𝒐𝒊𝒂𝒏𝒂 'Anemone' (ロビビア・ヤヨイアナ・アネモネ系統)

 この種類は桃色の大輪が素晴らしいです。

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𝑳𝒐𝒃𝒊𝒗𝒊𝒂 𝒋𝒂𝒋𝒐𝒊𝒂𝒏𝒂 'Anemone'

 現在は海外業者でも種子を売っている業者が中々なく、入手が難しくなってしまった種類です。

 

 栽培は、高温障害になりやすい南米高山種を育てられる方なら問題なく育てられると思います。

 

 欠点と言えば、花の寿命がかなり短く、開花して1、2日でしぼんでしまうことでしょうか。

 

 

 

⑦𝑴𝒂𝒎𝒎𝒊𝒍𝒍𝒂𝒓𝒊𝒂 𝒉𝒆𝒓𝒎𝒐𝒔𝒂𝒏𝒂 (マミラリア・ヘルモサナ)

 2014年に新種記載されたばかりのマミラリアです。


 丸っこくて毛玉のような姿から赤紫色のストライプが鮮やかな花を咲かせる姿は、日本でも人気があることでしょう。

 

 この種類が日本で出回っていないのは知名度の問題かなと思います。

 

 新種記載されてから色々な系統が海外では出回っていますが、VZD 1181という系統が花のストライプの色も濃くより観賞価値が高いと思います。

 

 

 

⑧𝑴𝒂𝒊𝒉𝒖𝒆𝒏𝒊𝒐𝒑𝒔𝒊𝒔 𝒏𝒊𝒈𝒓𝒊𝒔𝒑𝒊𝒏𝒂 (マイフエニオプシス・ニグリスピナ)

 ウチワサボテンの仲間も何か紹介した方がいいかなぁ、、、と思って入れたのがこの種類。

 

 ウチワサボテンの仲間にしては珍しい、紫色に近い深紅の花の種類です。

 

 咲くときれいでしょうが、例によってこの仲間は中々開花しません。我が家にもありますが、栽培は難しくないものの開花させるのは特別な条件が必要かなという感じです。

 

 𝑻𝒆𝒑𝒉𝒓𝒐𝒄𝒂𝒄𝒕𝒖𝒔 𝒏𝒊𝒈𝒓𝒊𝒔𝒑𝒊𝒏𝒂の名前で出回っていることもありますが、種子も苗も中々見かけません。海外業者のリストで見つけられたらラッキーだと思います。

 

 

 さて、サボテン編の記事はこれでおしまいです。半分くらいは私も育てているような種類をチョイスしてみたけど、ちょっとマニアックな内容になってしまいましたかな。

 

 他の植物の記事は余裕があったらということで、、、。