白いタワシ 𝑪𝒐𝒓𝒚𝒑𝒉𝒂𝒏𝒕𝒉𝒂 𝒘𝒆𝒓𝒅𝒆𝒓𝒎𝒂𝒏𝒏𝒊𝒊
白いタワシ 𝑪𝒐𝒓𝒚𝒑𝒉𝒂𝒏𝒕𝒉𝒂 𝒘𝒆𝒓𝒅𝒆𝒓𝒎𝒂𝒏𝒏𝒊𝒊
メキシコの乾燥地に生えるサボテン、𝑪𝒐𝒓𝒚𝒑𝒉𝒂𝒏𝒕𝒉𝒂 𝒘𝒆𝒓𝒅𝒆𝒓𝒎𝒂𝒏𝒏𝒊𝒊 コリファンタ・ウェルデルマンニー。白いトゲを密に生やし、球体本体が見えない程で、成長が遅いこともあって調子が良いのか悪いのか、そもそも生きているか不安になる。個人的には、白いタワシだなぁというのが第一印象だった。
この種類は成熟個体と未成熟個体で見た目の変化が激しい。ここで紹介している未成熟個体は、トゲが球体に沿って出る「側刺 (radial spines)」しか生えず触っても痛くはない。成熟すると球体から垂直に突き出す「中刺 (central spine)」が生えるようになり、イガグリのような凶暴な見た目へと変貌する。
この個体はまだ中刺が出てこないから成熟していないということか、白っぽい黄色の花が咲くというが見れるのはまだまだ先かな。
このSB575というフィールドナンバー (採取ナンバー)がついた系統は、メキシコのコアウィラ州 (Coahuila)のクアトロシエネガス (Cuatrocienegas)で採取されたとのこと。基準標本が同じくコアウィラ州の石灰岩の丘で採取されたそうなので、非常に密なトゲで白っぽく見えることは白い石灰岩地質では擬態の役目を果たしそう?なんて思ったり。未成熟個体は自生地では目立たなそう。
栽培について
春から秋にかけて成長しますが、どちらかというと一般的なコリファンタと同様に暑い時期に成長している気がします。ずっと野外に放置の我が家では5月末から9月が成長期の模様。しっかり水をあげるのは5月のGW以降。冬も凍らない気温ならば全然平気なので、断水して寒風吹く野外に放置です。
種の特徴
𝑪𝒐𝒓𝒚𝒑𝒉𝒂𝒏𝒕𝒉𝒂属の分類の指標は大まかに、①成熟個体でイボの溝が葉腋 (=球体)に達するか、②果実が鱗片で覆われるか否か、③中刺 (central spines)の配向性、④イボの形状で分類されると言われます (Hunt 2006, The New Cactus Lexicon Text p.62より訳)。𝑪. 𝒘𝒆𝒓𝒅𝒆𝒓𝒎𝒂𝒏𝒏𝒊𝒊の場合、①達する、②覆われない、③4本の中刺の内3本は上方に向き1本は下方に向く、④円錐状で突出する、である。近縁種とは、イボの形状が縦に長いこと、中刺は成熟した株で発達し先端が黒くなることが典型的であること、側刺の長さが短いことから区別されうる (Hunt 2006, The New Cactus Lexicon Text p.67より訳)。