tawashiatsume

植物、主にサボテン・多肉植物。時々登山、時々お酒。

マニアックなサボテン、パロディアを種から育てる

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𝑷𝒂𝒓𝒐𝒅𝒊𝒂 𝒄𝒐𝒑𝒂𝒗𝒊𝒍𝒒𝒖𝒆𝒏𝒔𝒊𝒔 HS 162 [Bolivia. Chuquisaca: Oropeza, Copavilque, alt. 2,500 m]

 今回は南米に産する𝑷𝒂𝒓𝒐𝒅𝒊𝒂属 (パロディア属)のサボテンの1種を紹介します。

 このパロディア、ある程度サボテンを育てている人でもあまり聞かない名前、またはあまり育てていない種類ではないでしょうか?

 タイトルで「マニアック」という言葉を使いましたが、あまり人気がないことが原因ではないかと思います。

 パロディア属は種数は決して少なくなく、花もキレイ、トゲの形態も様々、育てやすい種類が多いというもっとメジャーになってもおかしくはない資質を持っています。

 見た目がパッとしないというのもありますが、そもそも認知されていないという事情もありそうですので、今回ブログで取り上げることにしました。

種からも育てやすいサボテン

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𝑷𝒂𝒓𝒐𝒅𝒊𝒂 𝒄𝒐𝒑𝒂𝒗𝒊𝒍𝒒𝒖𝒆𝒏𝒔𝒊𝒔 HS 162 [Bolivia. Chuquisaca: Oropeza, Copavilque, alt. 2,500 m]、種から1年半ほど

 上の写真は種を播いておよそ1年半ほどです。大きい個体で直径が1 cmを越えています。

 ズボラな管理だったので、それほど大きくなっていません、、、。

 また、パロディアは基本的に種子が小さい種類が多く、種を播いてから大きくするのにも時間がかかることも多いです。直径が0.5 mmホコリのような種子の種類も珍しくありません。

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𝑷𝒂𝒓𝒐𝒅𝒊𝒂 𝒄𝒐𝒑𝒂𝒗𝒊𝒍𝒒𝒖𝒆𝒏𝒔𝒊𝒔 HS 162 [Bolivia. Chuquisaca: Oropeza, Copavilque, alt. 2,500 m]、種から1年半ほど

 大きくするのに時間がかかると言いましたが、多くの種類は栽培が難しくないので、種からでも育てることは可能です (発芽する時と、ごく小さい時だけ気を付ければ大丈夫です)。

 写真位ほどの大きさになれば、以降はズボラな管理でも枯れることなく大きくなってくれる種類が多いように感じます。

 また直径1 cmほどになれば、パロディアらしい饅頭を押しつぶしたような球体の形や、様々な形態のトゲの特徴が出始めて面白いです。

かなりマニアックな種類だけど育てやすい

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𝑷𝒂𝒓𝒐𝒅𝒊𝒂 𝒄𝒐𝒑𝒂𝒗𝒊𝒍𝒒𝒖𝒆𝒏𝒔𝒊𝒔 HS 162 [Bolivia. Chuquisaca: Oropeza, Copavilque, alt. 2,500 m]、種から2年半ほど

 上の写真は種から2年半ほど、直径も3 cmを越え始め、特徴がよく出ています。

 この種類の種子は、元々はドイツのKoehres (ケーレス)から𝑷𝒂𝒓𝒐𝒅𝒊𝒂 sp. HS162ということで買いましたが、よく調べてみると𝑷𝒂𝒓𝒐𝒅𝒊𝒂 𝒄𝒐𝒑𝒂𝒗𝒊𝒍𝒒𝒖𝒆𝒏𝒔𝒊𝒔 パロディア・コパビルクエンシスという種類であることがわかりました。

 割と最近記載された種類らしく、マニアックを極めています。

 出回っているのはほとんど見たことがないので、栽培が難しい等の要因があると思いきや、我が家では雨ざらしでも大きくなり、緑が濃くツヤツヤの健康体です。

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𝑷𝒂𝒓𝒐𝒅𝒊𝒂 𝒄𝒐𝒑𝒂𝒗𝒊𝒍𝒒𝒖𝒆𝒏𝒔𝒊𝒔 HS 162 [Bolivia. Chuquisaca: Oropeza, Copavilque, alt. 2,500 m]、種から2年半ほど

 この種類の特徴は、つぶれた楕円球の球体はコンパクトながら、トゲは側刺が白くまっすぐなのに対して、中刺は褐色~茶色で先端がかぎ針状、かつ捻じれていることでしょう。

 濃い緑のボディに対して、真っ白なトゲがよく映え、中刺がやや気持ち悪さを感じさせます。

 でも、上から見ると、球体の端整な形、規則正しく出るイボやトゲが織りなす幾何学的な美しさに見とれてしまいます。

花は黄色らしい

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𝑷𝒂𝒓𝒐𝒅𝒊𝒂 𝒄𝒐𝒑𝒂𝒗𝒊𝒍𝒒𝒖𝒆𝒏𝒔𝒊𝒔 HS 162 [Bolivia. Chuquisaca: Oropeza, Copavilque, alt. 2,500 m]、種から2年半ほど

 大きさとしては、大きくもなく小さくもないサボテンのはずなので、花はもう少し育てないと見れなそうです。

 ネットで調べると黄色い花が咲くようです。

 花が咲いたらまたブログにアップしましょうかね。

 今回は1種類だけの紹介で、パロディアの魅力を全然伝えられていませんが、少しでも興味がわいた方、是非種を買って育てて見てはいかがでしょうか?

栽培について

 パロディアは南米の低地からアンデス山脈まで、水平方向も垂直方向も幅広く分布するグループです。そのため、栽培方法を一概には決められません。今回紹介した種類のように、フィールドナンバーがついていて産地情報があると、栽培のため良いヒントになることが多いです。

 
 大まかに栽培について言ってしまうと、南米の低地 (特にブラジルからパラグアイウルグアイ)に分布する種類は、高温多湿にも耐性がある種類が多く、日本の夏でも育てやすい種類が多い反面、寒さにはそこまで強くなく、冬の寒さが原因で枯れることもあります。一方、アンデス山脈の高標高地に産する種類は、日本の夏はやや暑がる場合がありますが (でも他のグループと比べると育てやすい)、凍らない程度の気温でしたら野外でも乾燥状態で越冬します。
 水やりは、育てやすいと言われている種類 (主に南米低地の種類)は、成長期は表土が乾いたら水をやる程度の水のやり方でも十分育ちます。ですので、初心者向けの種類も多いです。南米高地の種類でも、夏の蒸し暑い時期は水やりを控えめにする程度の管理で育ちます。

種の特徴

 (後日記述)