tawashiatsume

植物、主にサボテン・多肉植物。時々登山、時々お酒。

2019年 北アルプス縦走・4日目~烏帽子小屋から槍ヶ岳へ!~

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槍ヶ岳、尖った山の形は遠くから見てもすぐわかる。

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 4日目、午前3時少し前に目が覚めました。

 つらかった3日目とは裏腹に身体に疲れをあまり感じなく、よくご飯を食べてよく休んだのが功をなしたようです。

 周りのテントの登山者も多くの人が準備を始め、スパゲッティを食べてテントを担いで午前3時40分頃に出発しました。

月明かりから日の出までのナイトハイク

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月明かりがボヤーっと照らし、暗い山の影が見えた。

 烏帽子小屋から出発し、三ッ岳、野口五郎岳へと向かいました。
 疲れはほとんどなく、暗闇の中軽快な足取りで進み、暗いうちにいつの間にか三ッ岳を通過していました。

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日の出の始まり

 ふと振り返ると、青からオレンジに変わりつつある地平線と、後ろから続々と登ってくる登山者のヘッドライトが見えました。
 野口五郎岳まではちょうど日の出の時間帯で、雲がなかったこともあり空の色が徐々に変わって太陽が出るまで、とてもよい景色を楽しめました。

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段々明るくなる地平線

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暁の空に浮かぶ月

 太陽が昇ってるくるにつれ、地平線はオレンジ色が強くなり、色が少しずつ変わってきました。

 地平線の反対側の山も薄紫色に染まって、山の姿もはっきり見えてきました。

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日の出直前の山の姿

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野口五郎岳付近は白い砂でとてもキレイです。

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色味と色の変化は言葉では表現しづらい。

野口五郎岳付近で日の出を迎える!

 そして、いよいよ真っ赤な太陽が地平線から顔を出すと山もオレンジ色~赤色に染まり、一日の始まりを実感する感動の瞬間でした。

 日の出の頃は写真をよく撮りながら、むしろ日の出を楽しみながら歩いていました。

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日の出

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日の出で赤く染まる山

 日の出が出て少し経った頃、野口五郎小屋を通過し、すぐに野口五郎岳に到着しました。標高2,924 m。

 山頂は野口五郎小屋に泊まった人が日の出を見ていて賑わっていました。

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野口五郎岳の山頂

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野口五郎岳から尖った槍ヶ岳を見る。今日はあそこまで行くぞ!

 野口五郎岳で少し栄養補給をし、続々と奥の山へと向かって行く登山者を見ながら僕も向かいました。

 次は真砂岳を通過し、水晶小屋を目指しました。

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振り返って野口五郎岳を見る。白い砂が印象的。

水晶小屋、鷲羽岳へと黒部川源流部の山々へ

 野口五郎岳を過ぎると、大きな岩がゴロゴロしハイマツが生い茂る道を行きます。

 大きな岩は数メートルもあり、登ったり降りたりする場所もありました。

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大きな岩とハイマツ

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百名山鷲羽岳を見ながら登る。

 斜面の土の色が茶色っぽくなってきてひと登りすると、水晶小屋に着きました。

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水晶小屋、人で賑わっていた。

 水晶小屋でコーラを買おうとすると、売り切れとのこと。天気が良かったのでよく売れたのかな。

 水晶小屋からは百名山水晶岳が見え、登りたい気持ちに駆られましたが時間に余裕がなかったので今回はパス。

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水晶岳、皆登っていた。

ワリモ岳から鷲羽岳

 水晶小屋から鷲羽岳へと黒部川源流部へと足を踏み入れました。

 5日目も朝から快晴、雲も、木も遮るものは何もなく最高の景色でした。

 周りの、以前登ったことのある山を眺めながら、「あそこに登ったなぁ」などと思い出しながら歩きました。

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雲の平という楽園のような場所を望みながら、、、

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茶色っぽい山は百名山薬師岳

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奥の山は百名山黒部五郎岳

 最高の景色を楽しみながら、ワリモ岳を越えて、百名山鷲羽岳へと進みました。

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ワリモ岳

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鷲羽岳

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鷲羽岳の山頂

 最後に登りを頑張ると標高2,924 mの鷲羽岳に着きました。

 360度の景色で、段々と槍ヶ岳が近づいてきました。

 鷲羽岳には10時頃到着し、三俣山荘へは下ってすぐだったので、ここはもう1つ先の小屋の双六小屋まで頑張ることにしました。

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鷲羽岳直下にある鷲羽池と、遠くに槍ヶ岳

三俣山荘から双六小屋へ

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真ん中小屋が三俣山荘、右が三俣蓮華岳、左の方が双六岳

  鷲羽岳からは三俣山荘が眼下に見え、軽い足取りで下りました。

 三俣山荘は雪解け水が豊富で、この辺りでは水が無料で補給できる数少ない小屋です。

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下ってきた鷲羽岳を振り返る

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中心の緑の部分を横切る線が知る人ぞ知る伊藤新道

  三俣山荘に着き、水を補給するとともにジュースを買いました。

 ここから三俣蓮華岳まで登り返し、双六岳まで頑張って歩きます。

 途中、三俣山荘のテント場は水流が流れる穏やかな場所で、またテントを張って泊まりたいと思いました。

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三俣蓮華岳方面から見る堂々とした鷲羽岳

  三俣山荘から登りが始まります。

 今回は時間がないので、三俣蓮華岳双六岳の山頂は通らない脇道のコースで双六小屋を目指しました。脇道と言ってもコースタイムは2時間かかります。

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双六岳

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槍ヶ岳に近づいたけどまだ距離がある。

 かっては氷河があったのか大きな岩がゴロゴロする特徴的な地形を通り、登り降りを繰り返すと赤い屋根の双六小屋が見えてきました。

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岩がゴロゴロしているのは氷河地形の特徴

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双六小屋が見えてきた!

 12時ごろ双六小屋に着き、やっと昼ご飯です。3時くらいに朝飯だったので腹ペコでした。

 双六小屋はカルビ丼やからあげ丼などご飯が豪華なことで有名ですが (そのためにここまで我慢した笑)、この日はカツカレーにしました。

 本当は全部食べたかったです笑

槍ヶ岳へ!

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双六小屋

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双六小屋のテント場、今日も登山客が沢山!

 双六小屋かた槍ヶ岳まで標準コースタイムは5時間半。もう午後になるので、これから槍ヶ岳に登ろうという人は他にいませんでした。

 カレーをかき込んでザックを背負い、槍ヶ岳を目指して登り始めました。

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雲がかかった槍ヶ岳

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雲があるけど依然としていい天気!

 双六小屋から槍ヶ岳へは西鎌尾根という尾根を登っていきます。

 標高2,570mの双六小屋から標高3,179 mの槍ヶ岳まで登ります。

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途中に見える赤い荒々しい肌の硫黄尾根

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西鎌尾根から見る槍ヶ岳。個人的にはこのあたりから見るのが一番かっこいい。

  西鎌尾根の道は初めはハイマツが生える砂利の道ですが、徐々に植物が少なくなり、鎖場も出てきます。

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西鎌尾根の道

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槍ヶ岳

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鎖で斜面を横切るような箇所

 西鎌尾根を登っていくと、千丈乗越という場所に着きます。

 新穂高温泉からの登山道が合流するとともに、最後の岩場の登りに入ります。

 ここからの登りは急な上に、標高が3,000 mを越えるために息が切れやすく、最後のハードな場面です。

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千丈乗越

 ここを越えれば槍ヶ岳山荘!と思いながら、重い荷物を背負っての登りは得意なので、いつも無心で一気にここを登ってしまいます。
 ゼーゼー言って立ち止まりながらつらそうにする人を横目についに槍ヶ岳へ!

槍ヶ岳山荘到着!大混雑!

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槍ヶ岳の山頂へ登るために並ぶ人々

 15時15分頃、ついに槍ヶ岳山荘へ到着しました。標高約3,100 m。

 五竜岳から4日かけて縦走し、ここまで一気に歩きたかったので感無量でした。

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山頂へは何時間待ちかな?

 槍ヶ岳山荘に着くと同時に、あまりの人の多さにびっくりしました。まるで東京の街中のような人の密度!

 甘い飲み物はほぼ売り切れ、山頂へも数百人は並んでいて、何時間待ったら山頂へつけるやら、、、。

 山頂は以前登ったからいいかな、、、と言うことで、さっさとテントを張ることにしました。

 槍ヶ岳山荘のテント場はすぐに場所がなくなってしまうので、少し下った殺生ヒュッテという小屋のテント場へ行きました。

殺生ヒュッテでテント!

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殺生ヒュッテから槍ヶ岳山頂を眺める。

 槍ヶ岳山荘のテント場に眺めは劣りますが、槍の穂先を常に見れる殺生ヒュッテのテント場も悪くありません。

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殺生ヒュッテからの穂高岳方面の眺め

  テントを早めに張れて、この日も比較的のんびり休めました。

5日目は穂高岳まで縦走したいが、、、

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殺生ヒュッテの夕暮れ

 ご飯を食べながら、5日目の予定を考えました。

 槍ヶ岳まで登り返して大キレットを越えて穂高岳まで縦走するべきかどうか、それともここから上高地へ下るべきか。

 天気が翌日から悪くなりそうだったのと、靴がボロボロだったので悪条件がありましたが、翌日の天気を見て決めることにしました。

 この日は槍ヶ岳まで縦走できた満足感からぐっすり寝れたように思います。

(2019年 北アルプス縦走・5日目へ続く)

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