2017年 日本アルプス縦走・6日目~中央アルプスの木曽駒ヶ岳へ~
5日目は境峠付近で22時ごろに休みを取り、翌日の6日目は午前4時ほどに起床しました。
朝ごはんを作り、テントを畳んで5時前に出発。
今日の行程は、境峠から中央アルプス山麓まで下っていき、そこからさらに中央アルプスの木曽駒ヶ岳に登り返すこと。
境峠を下って木祖村へ
境峠の近くで休んでいたため、午前5時過ぎにすぐに境峠へ到着しました。
付近は山の中で、早朝ということもあってシーンと静まり返っていました。
峠と言っても舗装路の途中に小さな看板があるくらいで、看板がなければ気づかずに通り過ぎてしまいそうです。
看板には標高1,486 mと書いてありました。
ここから木祖村へ入ります。昔の人はこうして歩いて峠を越えて木曽地方へ行っていたのではないかと思いをはせました。
境峠で少し休憩をして、これから下っていく道の確認。
まずはJRの藪原駅へ行きます。ここは標高900 mほど。
その後、宮ノ越駅を過ぎ、標高800 mほどの原野駅まで中央本線に沿って歩き、ここから標高2,956 mの木曽駒ヶ岳へ登ります。
30 kmほどの舗装路歩きの後の木曽駒ヶ岳への標高差2,000 m以上の登りがきつそう。
知る人ぞ知るスーパーマーケット「まると」
藪原駅まではなだらかな舗装路の下り道を民家がまばらなのどかな風景の中、延々と歩きます。
藪原駅までの道のりの途中のところに、「まると」というスーパーマーケットがあります。
このスーパーマーケットは、コンビニすら珍しい地帯にあって比較的大きいお店で、日本アルプス縦走をする人はほぼ必ずこのルートを通ります。
僕らのようなチャレンジャーにとっては、食品を買って食べられる貴重な補給点になっています。
知る人ぞ知るというのは、日本アルプス縦走のレースをやる人の中では有名という意味です笑
まるとに着いたのが朝7時過ぎだったので、この日はまだ開店していませんでした。
前回、試走をしに来た時は寄れたのでよかったかな?、ということで先へ進むことに。
藪原駅を越えて、原野駅、木曽駒高原へ
午前8時あたりに藪原駅に到着、付近にはコンビニもなく通過。写真も撮っていません。
藪原駅から宮ノ越駅までの途中の道に山吹トンネルというところがあり、そのトンネルを出た先にこの付近で唯一のコンビニ、セブンイレブンがあるので、ここで少し早い昼食をとりました。午前9時半頃。
ご飯を食べてまたひたすら舗装路を歩く、歩く、、、。
JR原野駅のあたりから鉄道沿いの道から離れて、山の方向へ向かって歩き始めます。
どうも木曽駒ヶ岳には雲がかかっているみたいで天気が良くなさそう。
途中、道の駅で少し休んで木曽駒高原へ。
ゴルフ場やオートキャンプ場、そして廃業になったぽいスキー場と過ぎて登っていくとやがて砂利道になり、木曽駒ヶ岳登山口へ着きます。
これから登る福島Bコースの登山口は、標高1,350 mの元スキー場にあります。ここから山道です。
中央アルプス、木曽駒ヶ岳へ!
福島Bコース登山口にはちょうど12時頃到着しました。
ここから標高差1,500 m以上ある木曽駒ヶ岳へ登ります。
でも午後いっぱい使えるので、そこまで急いで登る必要はなさそう。
登山口から歩き始めは沢沿いの広葉樹林帯を登っていきます。
途中で沢を向こう岸に渡り、尾根にのって針葉樹林の急登が始まります。
ひっそりとした針葉樹林帯は深い山の中に来た感覚を覚えさせられました。
少し登っていくと4合目半、力水の看板がありました。
力水は沢から離れた尾根の上にありながら、細いものの確実な水の流れがあるので貴重な場所です。
残雪の多い北アルプスでは山の上でも水場が多いですが、中央アルプスや南アルプスは沢を離れて山の上に登ると水場が少ないのでありがたいです。
力水より先の道は、翌日山から降りるまでに確実にある水場があと1ヶ所しかないので、翌日のためにやや多めに水を汲みました。
福島Bコースは針葉樹林に包まれた尾根道をひたすら登ります。
眺めはあまりないため同じ景色の登りが続きます。
ここはきつい所ですが、心を無にして頑張る時。
針葉樹林帯の登りの途中で道沿いの植物を観察しながら、上へ上へと登りました。
7合目の避難小屋に到着
尾根を登って行くと道がなだらかになっていき、大きな岩を通過すると7合目の避難小屋が見えてきました。
7合目になると周りの木が少し低くなり、眺望がよくなります。
進行方向に雲が晴れた木曽駒ヶ岳がちょうど見えました。
木曽駒ヶ岳までは高さも距離もまだありそう。
でも時間に余裕はあるので、急がずあせらず行くことにしました。
標高が上がると徐々に高山帯の景色に
7合目を過ぎると、鬱蒼とした針葉樹林の森が背丈が低くなっていき、ダケカンバなど高山帯に生える広葉樹の低木が混じってきます。
ゴロゴロした岩も増えていき、眺望もきいて徐々に高山帯へと移り変わっていきます。
7合目半の山姥という場所は数メートルの大岩が鎮座し、季節によっては雪渓が遅くまで残っている場所です。
大岩の上をピョンピョン飛んで渡り、向こう岸へ。
ここのあたりにある水場が最後の水場で、これより上は無雪期は水が得られません。
岩場を横切るような場所では木道も出てきます。
段々、森から草原に変わっていき、岩がゴロゴロした砂利の道に変わって木曽駒ヶ岳まであともう少し!、というところで雲がかかってポツポツ雨が降り始めました。
標高が高い山ほど天気が急変しやすく、標高が高い夏山は午後に大体は雲がかかってしまうので仕方ないことでもあります。
玉ノ窪山荘に到着!木曽駒ヶ岳までもうすぐ
雨の中、高山帯の道を登ると、玉ノ窪山荘という山荘へ到着。標高2,740 mほど。
ここまで来ればハイマツと背丈の低い高山植物しか生えていない高山帯になります。
人気がほとんどない玉ノ窪山荘。ロープウェイの反対側だから寄る人があまりいないのかな?
ここから木曽駒ヶ岳山頂まではもう少し!
雲がかかって小雨が降り、冷たい風が吹く花崗岩の稜線をえっちらおっちらと登りました。
午後になって体のエネルギーが切れてきたので、ゆっくり登りました。
木曽駒ヶ岳の山頂までは、少ないながらも高山植物が生えており、目を楽しませてくれました。
有名なのは、中央アルプスの固有種、ヒメウスユキソウ。
先に山頂に行ってもよかったのですが、時間にも余裕があったので、先に駒ヶ岳頂上山荘にテントを張ってから木曽駒ヶ岳山頂へ行くことにしました。
道の途中では、明日縦走する予定の中央アルプスの宝剣岳や空木岳方面の山々が霧の中に浮かんで見えました。
本日のテント場、駒ヶ岳頂上山荘へ到着!
17時前、駒ヶ岳頂上山荘に到着しました!
木曽駒ヶ岳の山頂の少し下、標高2,900 m程の岩がゴロゴロしたわずかな窪地に山小屋とテント場がありました。
非常に眺めがよいテント場は、20~30張のテントで埋まっていました。
さて、小屋で幕営申請を済ませ、自分のテントを張って木曽駒ヶ岳山頂へ散歩がてら向かいました。
木曽駒ヶ岳登頂!
標高2,956 m、中央アルプス最高峰の木曽駒ヶ岳に登頂しました。
17時半前と遅い時間だったので山頂には誰もおらず。
山頂は花崗岩の岩がゴロゴロしていて祠がある他は遮るものがないので、天気が良い日に来たら眺めがとても良さそう。
過去にも木曽駒ヶ岳に登頂してますが、天気が良い時に来れていないので、ぜひ次こそは眺めを楽しみたいですね。
天気も悪く、早く夕食を作らなければならなかったので、山頂からそうそうに降りてしまいました。
さすがに標高3,000 m近い場所なので日が暮れると気温がかなり下がるので、それより前に食事を済ませたい思いが強かったです。
6日目は境峠から木曽駒ヶ岳の駒ヶ岳頂上山荘まで
6日目は午前中は延々と舗装路歩き、午後は木曽駒ヶ岳に一気に登り上げて駒ヶ岳頂上山荘でテントを張りました。
また、7日目には駒ヶ根の郵便局で荷物を受け取り、食料を補給、不要なゴミなどを自宅へ送り返すという大事な用事もあります。
上の地図を見るとだいぶ進んできて、およそ日本海と太平洋の中間くらいまで進んできたことがわかりますね。
7日目はどんな山登りになるかな?
そんな気持ちで6日目は山頂のテント場で床に就きました。
(2017年 日本アルプス縦走・7日目)