tawashiatsume

植物、主にサボテン・多肉植物。時々登山、時々お酒。

早春を彩る球根植物、ラペイロウシア

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𝑳𝒂𝒑𝒆𝒊𝒓𝒐𝒖𝒔𝒊𝒂 𝒔𝒊𝒍𝒆𝒏𝒐𝒊𝒅𝒆𝒔

 春に咲く球根植物達が咲き始めていたので紹介します。

 今回紹介するのは、アヤメ科の𝑳𝒂𝒑𝒆𝒊𝒓𝒐𝒖𝒔𝒊𝒂属 (ラペイロウシア属)の2種類です。2種とも南アフリカの冬季降雨地帯に生えるようです。

 南アフリカには多くの球根植物が自生しますが、我が家では𝑳𝒂𝒑𝒆𝒊𝒓𝒐𝒖𝒔𝒊𝒂の種類が開花するのが一番早く、早春に春の訪れを知らせてくれました。

鮮やかなピンクの花をつけるラペイロウシア・シレノイデス

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𝑳𝒂𝒑𝒆𝒊𝒓𝒐𝒖𝒔𝒊𝒂 𝒔𝒊𝒍𝒆𝒏𝒐𝒊𝒅𝒆𝒔、ラペイロウシア・シレノイデス

 1種類目は、鮮やかなピンク~赤紫色の花をつける𝑳𝒂𝒑𝒆𝒊𝒓𝒐𝒖𝒔𝒊𝒂 𝒔𝒊𝒍𝒆𝒏𝒐𝒊𝒅𝒆𝒔 ラペイロウシア・シレノイデスという種類。小型ながら目立ちやすく、いつの間にか咲いているのに気づきました。

 花をよく見てみると、白色と赤色のブロッチが花弁に入っています。

 草丈自体は5 cmもなく、直径6 cmほどの小鉢でも開花してくれました。つぼみがまだ出てきているので10輪以上咲いてくれそうです。

花序が特徴的なラペイロウシア・ピラミダリス

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𝑳𝒂𝒑𝒆𝒊𝒓𝒐𝒖𝒔𝒊𝒂 𝒑𝒚𝒓𝒂𝒎𝒊𝒅𝒂𝒍𝒊𝒔 ssp. 𝒑𝒚𝒓𝒂𝒎𝒊𝒅𝒂𝒍𝒊𝒔、ラペイロウシア・ピラミダリス

 2種類目は、𝑳𝒂𝒑𝒆𝒊𝒓𝒐𝒖𝒔𝒊𝒂 𝒑𝒚𝒓𝒂𝒎𝒊𝒅𝒂𝒍𝒊𝒔 ssp. 𝒑𝒚𝒓𝒂𝒎𝒊𝒅𝒂𝒍𝒊𝒔 ラペイロウシア・ピラミダリス (ピラミダリス原亜種)という種類で、花序の形が面白い種類です。

 花をつける枝や茎全体のことを、専門用語で花序 (かじょ)と呼びます。この花序に着く葉が段々に規則正しく重なってつき、全体の形や規則正しく重なる様子がピラミッドのように見えることが学名の由来です。

重なる苞葉が特徴的な花序を形成する

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𝑳𝒂𝒑𝒆𝒊𝒓𝒐𝒖𝒔𝒊𝒂 𝒑𝒚𝒓𝒂𝒎𝒊𝒅𝒂𝒍𝒊𝒔 ssp. 𝒑𝒚𝒓𝒂𝒎𝒊𝒅𝒂𝒍𝒊𝒔、ラペイロウシア・ピラミダリス

 花の根元に着く葉を苞葉 (ほうよう)と呼びますが、この苞葉が規則正しく重なってピラミッドのような花序を形作ります。

 なお、本種の普通の葉は、葉の外側の表面に溝がありデコボコしていますが、本種の苞葉は外側の表面に溝がなく滑らかです。

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𝑳𝒂𝒑𝒆𝒊𝒓𝒐𝒖𝒔𝒊𝒂 𝒑𝒚𝒓𝒂𝒎𝒊𝒅𝒂𝒍𝒊𝒔 ssp. 𝒑𝒚𝒓𝒂𝒎𝒊𝒅𝒂𝒍𝒊𝒔、ラペイロウシア・ピラミダリス

 ラペイロウシア・ピラミダリスは、ラペイロウシア・シレノイデスよりやや大きくなり、草丈は15~20 cmほどになります。

 ラペイロウシア・ピラミダリスの花は、爽やかな白色の花弁にクリーム色のブロッチとわずかに青紫色の線の模様が入ります。

 また、花にユリのような良い香りがするのも、ラペイロウシア・シレノイデスとの違いです。

 場所もあまりとらず、花もキレイ、種類によっては特徴的な形態を持つ球根植物を紹介しました。まだまだこれから春にかけて様々な球根が開花するので、順次紹介していきたいと思います。

栽培について

 𝑳𝒂𝒑𝒆𝒊𝒓𝒐𝒖𝒔𝒊𝒂属の種類はほとんどが南アフリカの冬季降雨地帯に自生し、秋から春にかけての涼しい時期が成長期です。乾燥する夏は葉を枯らして休眠します。

 栽培自体は難しくなく、秋から春の成長期は凍らない程度の気温 (0℃以上)ならば、日当たりの良い場所に置き、表土が乾いたら水をたっぷりあげればよく育ちます。成長期に気を付ける点は、気温が高い場所に置いてしまうと植物が夏の休眠期に入り出したと勘違いして葉を枯らすことがある点です。最低気温は0~15℃ほど、最高気温は10~25℃ほどの環境が生育に適していると感じます。

 普通に育てていると、春が過ぎて気温が高くなるにつれ、葉が葉先から枯れていきますので、そうなったら徐々に水やりの回数や量を減らしていき、完全に葉が枯れたら断水します。葉が枯れたら日陰の軒下など雨がかからない野外などで夏越しをさせます。球根を掘り取って冷蔵する方もいますが、断水すればある程度の高温下でも腐らずに夏越しできます。休眠期は日向より日陰の方が無難です。

 秋になって涼しくなったら水やりを再開しましょう。

種の特徴

 (後日記述)