葉の形が多様、花の色もカラフル、南アフリカのオキザリス
今回は、葉の形や花の色が色々な𝑶𝒙𝒂𝒍𝒊𝒔属 (オキザリス属)の植物をまとめて紹介したいと思います。
オキザリスは、日本にも自生するカタバミの仲間です。三つ葉がチャーミングな雑草なので、見たことがある人も多いと思います。
紹介する種類は、いずれも南アフリカ共和国の南部の冬に雨が降る地域に産し、地下に球根を作る種類です。
では、見てみましょう!
一ッ葉で真っ白の花のオキザリス
この種類は白い5枚の花弁がチャーミングですね。秋に咲く大きな白い花には一目で惹かれます。
学名は、𝑶𝒙𝒂𝒍𝒊𝒔 𝒎𝒐𝒏𝒐𝒑𝒉𝒚𝒍𝒍𝒂 オキザリス・モノフィラ。
花こそ日本のカタバミにも似ていますが、この種類の特徴は葉の形態が単純であることでしょう。種小名のモノフィラも、この葉の形態が由来です。
日本のカタバミは葉が三つ葉 (1枚の葉が3つの小葉からなる)ですが、この種類は単純な1枚の葉 (専門用語で「単葉 (たんよう)」と呼びます)からなり三つ葉ではありません。
葉柄もごく短く、地面から直接1枚の葉が生えている様子は、日本のカタバミを見慣れた人にとっては珍奇な姿に映ります。
一ッ葉の赤黒い種類
次はこの種類。オキザリス・モノフィラと同じ1枚葉の種類ですが、ショッキングピンクの鮮やかな色の花が目に飛び込んできます。
名前は𝑶𝒙𝒂𝒍𝒊𝒔 𝒏𝒐𝒓𝒕𝒊𝒆𝒓𝒊 オキザリス・ノルティエリ。
この種類は、葉が赤黒いことも特徴です。また、葉に長い葉柄があることもオキザリス・モノフィラとの違いでしょう。
野生種ながらも花の色は鮮やかなピンク色で、園芸種にも引けをとらない鑑賞価値の高さを持っています。
鮮やかな花の色は虫をおびき寄せるのにも役立つのでしょうか?
クリーム色で脈が赤く染まる花が面白い種類
次はこの種類、𝑶𝒙𝒂𝒍𝒊𝒔 𝒑𝒖𝒍𝒄𝒉𝒆𝒍𝒍𝒂 オキザリス・プルケラ。
オキザリスにしては珍しく、産地情報付き。南アフリカ共和国の北ケープ州 (Northern Cape)のノラプバーグ (Norapberg)という場所で採取されたとのこと。
ただでさえ自生情報が得られにくいのでありがたいですね。
花は草姿に対して大きめだけれど、葉は三つ葉だし、一見普通のカタバミの種類のように見えます。
でも、花をよくよく見てみましょう。
花弁は淡いクリーム色ですが、何やら赤い複雑な線模様が入っています。
この網状の模様は、花の脈だと思われます。複雑な線の模様が、工芸品のような繊細さや洗練さを醸し出しています。
一見ありふれた種類に見えますが、個人的にはこの種が一番素晴らしいと感じます。
松葉のような細い葉を持つ種類 その1
松葉のような細い葉を持ち、ピンク色の花を付ける種類その1、𝑶𝒙𝒂𝒍𝒊𝒔 𝒑𝒉𝒍𝒐𝒙𝒊𝒅𝒊𝒇𝒍𝒐𝒓𝒂 オキザリス・フロキシディフローラです。
これも産地情報付き。南アフリカ共和国の西ケープ州 (Western Cape)のクランウィリアム (Clanwilliam)で採取されたとのこと。
ピンク色の花には爽やかな芳香があります。
この種類の面白いのは、葉が細いことです。
ビヨーンと伸びて細くなった葉は以上にも見えますが、カタバミの三つ葉の3つの小葉がそれぞれ細長くなるよう進化したと考えれば納得がいきます。
何にせよ、ヘリコプターの翼のような葉は見ていて面白いですね。
松葉のような細い葉を持つ種類 その2
栽培しているオキザリスで、松葉のような細い葉を持ち、ピンク色の花を付ける種類がもう1種類あります。
𝑶𝒙𝒂𝒍𝒊𝒔 𝒑𝒐𝒍𝒚𝒑𝒉𝒚𝒍𝒍𝒂 var. 𝒉𝒆𝒑𝒕𝒂𝒑𝒉𝒚𝒍𝒍𝒂 オキザリス・ポリフィラのヘプタフィラ変種という種類です。
花の色と葉が細いということは1つ前の種類と同様です。
1つ前の種類と異なるのは、三つ葉ではないことです。
変種名のheptaは「7」を意味するラテン語で、どうも葉の小葉の数と関係がありそうです。
小葉の数は一定でないものの、5~7の小葉を持ち、七ツ葉と言えなくもないです。
熊手のような葉は印象的で面白いですね。
以上、今回は5種類の紹介でした。
栽培について
今回の種類は、いずれも秋から春にかけて生育し、地下に球根を作り、夏は地上部を枯らして球根の状態で休眠します。
栽培は難しくなく、秋の涼しい時期から水をあげ始め、生長期間中は日当たりの良い場所で表土が乾いたら水やりをするとよく育ちます。耐寒性については、0℃以上であれば問題ないように思えます。
春の終わりから葉が枯れ始め休眠に入りますが、基本的には鉢に球根を植えたまま屋外の雨のかからない日陰で夏越しさせています。夏越し中は水やりは一切不要です。
植え替えをするとしたら休眠していて球根のみの状態の時期に行うとよいでしょう。
球根は分球でよく増え、1年で2~5倍ほどに増えます。種子は遺伝的に異なる個体同士で受粉しないと得られなうようです。
種の特徴
(後日記述)