黄花の大輪を咲かせる球根、スパラキシス・マクロ―サ
今回は1種類のみの短い紹介です。でも、素晴らしい種類だと思うので、これだけでも十分かなと。
紹介するのは𝑺𝒑𝒂𝒓𝒂𝒙𝒊𝒔属 (スパラキシス属)というアヤメ科の球根植物の1種です。𝑺𝒑𝒂𝒓𝒂𝒙𝒊𝒔属は南アフリカに自生する種類が多く、花色がオレンジや赤、黄で彩られるとてもキレイな植物です。
「sparaxis」でGoogleの画像検索をすると、色とりどりの𝑺𝒑𝒂𝒓𝒂𝒙𝒊𝒔属の花の画像が見れます。
黄花の大輪を咲かせる珍しい種類
直径5 cmほどにもなる大きな花。咲いているのを見た時は、思わずオオッと驚きました。
草丈は10 cmもないのに、不釣り合いな程の大きな黄色の花を付けます。
学名は、𝑺𝒑𝒂𝒓𝒂𝒙𝒊𝒔 𝒎𝒂𝒄𝒖𝒍𝒐𝒔𝒂 スパラキシス・マクロ―サと言います。野生種ということもあり市場で流通していることは稀です。
花は鮮やかな黄色で、花弁の基部には茶色~黒色のブロッチが入ります。
𝑺𝒑𝒂𝒓𝒂𝒙𝒊𝒔属は鮮やかな大輪をつけることから園芸でも人気があり、交配されて赤、白、クリーム、ピンク、紫など、様々な色の花をつける園芸品種が流通しています。
しかし、この種類𝑺𝒑𝒂𝒓𝒂𝒙𝒊𝒔 𝒎𝒂𝒄𝒖𝒍𝒐𝒔𝒂は園芸で出回ることはほとんどなく (なので種から育てました)、あまり知られていないようです。
小型ながら大きな花をつける種類で素晴らしいので、紹介しようと思いました。
野生では絶滅が危惧される種類
調べてみると、𝑺𝒑𝒂𝒓𝒂𝒙𝒊𝒔 𝒎𝒂𝒄𝒖𝒍𝒐𝒔𝒂は自生地の南アフリカでも2ヶ所でしか発見されておらず、絶滅危惧種として扱われているようです。
園芸的な選抜を経ていないのにもかかわらず、大輪のキレイな花をつける野生種はとても貴重なので絶滅しないよう尽力したいですね。
𝑺𝒑𝒂𝒓𝒂𝒙𝒊𝒔属自体は園芸での流通は見かけますし、栽培は容易、花は大きくきれいなので、球根や種子を見かけたら是非育てて見てください。
栽培について
𝑺𝒑𝒂𝒓𝒂𝒙𝒊𝒔属は、多くの種類が南アフリカの冬季降雨地帯に自生します。夏は雨が降らず乾燥します。ですので、秋から春にかけて成長し、夏は地上部を枯らして休眠します。
球根を入手した場合は、夏に植え付け、秋になり涼しくなった頃から水を与えると芽出しを始めます。秋から春の成長期は、日当たりの良い場所に置き、表土が乾いたら水をたっぷりやる管理で良く育ちます。降水量が少ない地帯に自生しますが、成長期は水を好みます。鉢内をカラカラに乾かすと葉がしおれ、成長や花付きが悪くなります。
自生地を訪ねた人の話によると、降水量は少ないものの、地面を深く掘ると湿っているようです。このことから、鉢の下の方にミズゴケを入れて球根をやや深植えする方もいるようです。
春に花を付け、段々気温が上がるとともに葉が枯れていきます。葉が枯れ始めたら徐々に水やりの回数と量を減らしていき、葉が完全に枯れたら水を与えない断水管理にします。
夏は、鉢に球根を植えたまま水がかからない日陰で夏越しさせます。球根を掘り上げて低温保存する人もいますが、南アフリカ産の球根の野生種は夏の高温が秋の成長開始に必須な種類もあるので、鉢に植え付けたまま夏越しさせるのが無難だと思います。気温が40℃以上などにならない限りは中々腐ったりしませんでした。
種の特徴
(後日記述)