tawashiatsume

植物、主にサボテン・多肉植物。時々登山、時々お酒。

南米アンデス山脈に咲く小型の花サボテン、レブチア その1

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𝑹𝒆𝒃𝒖𝒕𝒊𝒂 𝒉𝒆𝒍𝒊𝒐𝒔𝒂 '𝒕𝒆𝒓𝒆𝒔𝒂𝒆 𝒇𝒍𝒂𝒗𝒊𝒅𝒂 ' KK 1724

  春になって本格的にポカポカ暖かくなってくると、様々なサボテンの花咲き乱れます

 温室で栽培すると早春に開花しますが、屋外で育てていると桜が散ってから約1ヶ月後に多くのサボテンが咲き始めます

 今回は、花がキレイで花を観賞する花サボテンの1グループを紹介したいと思います。

 紹介するのは、𝑹𝒆𝒃𝒖𝒕𝒊𝒂属 (レブチア属)と呼ばれる小型のサボテンの仲間で、南米のアンデス山脈の高地に産する、多くの種で球体の直径が数 cmまでの小さなサボテンです。

 小さいものの、花サボテンと呼ばれるだけあって花はとてもキレイ、おまけに花色のバリエーションも豊富です。

 レブチアは種別・タイプ別にいくつか栽培しているので、何回かに渡って紹介していく予定です。

鮮やかなオレンジ色の花を咲かせる、レブチア・ヘリオーサ

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𝑹𝒆𝒃𝒖𝒕𝒊𝒂 𝒉𝒆𝒍𝒊𝒐𝒔𝒂 '𝒕𝒆𝒓𝒆𝒔𝒂𝒆 𝒇𝒍𝒂𝒗𝒊𝒅𝒂 ' KK 1724 [Bolivia. Tarija: Junacas, Rio Picomayo/Nogales, alt. 2,000 m]

 1種類目、ブワッと明るいオレンジ色の花を咲かせます。写真だと赤に見えますが、実際は赤に近い濃いオレンジ色といった具合です。

 𝑹𝒆𝒃𝒖𝒕𝒊𝒂 𝒕𝒆𝒓𝒆𝒔𝒂𝒆 レブチア・テレサエと呼ばれている種類ですが、今では𝑹𝒆𝒃𝒖𝒕𝒊𝒂 𝒉𝒆𝒍𝒊𝒐𝒔𝒂 レブチア・ヘリオーサの1タイプと見なされています。

 ギリシャ神話の太陽神ヘリオースに関した種名を付けられるだけあって、花は太陽のように鮮やか。

 球体の周りの黒くて丸いのはつぼみです。黒い玉のようなものから鮮やかな花が出てくるので驚きます。

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𝑹𝒆𝒃𝒖𝒕𝒊𝒂 𝒉𝒆𝒍𝒊𝒐𝒔𝒂 '𝒕𝒆𝒓𝒆𝒔𝒂𝒆 𝒇𝒍𝒂𝒗𝒊𝒅𝒂 ' KK 1724 [Bolivia. Tarija: Junacas, Rio Picomayo/Nogales, alt. 2,000 m]

 もう少し花を詳細に見てみると、写真ではわかりづらいかもしれませんが、花びらにシルクのような光沢があり高級な布のような質感を持っています。

 また、球体には白くて短いトゲが密生していますが、少しチクチクします。

 ちなみに写真の個体は、KK 1724というフィールドナンバーがついており、ボリビアのタリハ県、フナカスの標高2,000 mで採取された情報がついています (Bolivia. Tarija: Junacas, Rio Picomayo/Nogales, alt. 2,000 m)。

 標高はさほど高くない地点ですが、地図からはアンデス山脈に含まれることがわかります。

表現しにくい花の色の種類、レブチア・ピグマエア

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𝑹𝒆𝒃𝒖𝒕𝒊𝒂 𝒑𝒚𝒈𝒎𝒂𝒆𝒂 MN 162 [Argentina. Jujuy: Tilcara, alt. 2,800 - 3,100 m]

  2種類目はこの種類。𝑹𝒆𝒃𝒖𝒕𝒊𝒂 𝒑𝒚𝒈𝒎𝒂𝒆𝒂 レブチア・ピグマエアという名前です。

 花はキレイなのですが、色は何とも表現しがたい、、、。

 商品説明には「サーモンピンク色の花」とあり、何となく納得がいきます。要はオレンジと薄いピンクの中間の色でしょうか?

 花びらの中央にピンクのラインが入っていて特徴的です。 

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𝑹𝒆𝒃𝒖𝒕𝒊𝒂 𝒑𝒚𝒈𝒎𝒂𝒆𝒂 MN 162 [Argentina. Jujuy: Tilcara, alt. 2,800 - 3,100 m]

 球体は幅2、3 cmしかなく、これでも大きい方で十分親株です。

 トゲは短く球体に張り付くように生えるので、触っても痛くなく植え替えも素手で行える優良種です。

 この個体のフィールドナンバーはMN 162で、アルゼンチンのフフイ州のティルカラの標高2,800 mから3,100 mの場所で採取されたとのこと (Argentina. Jujuy: Tilcara, alt. 2,800 - 3,100 m)。

 産地であるこのティルカラ、どういう場所なのか少し調べてみました。下のリンクはYoutubeにあった動画です↓

 山には植物がまばらで、乾燥した気候であることが推測されます。サボテンもチラチラ出てきますね。アンデス山脈で標高も高いし、人々の服装からしてもそんなに暑くなさそう。

 簡単に自生地の環境まで知ることができるので、良い時代になったもんです。

トゲがボーボー、でもオレンジの花はキレイ

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𝑹𝒆𝒃𝒖𝒕𝒊𝒂 𝒇𝒊𝒆𝒃𝒓𝒊𝒈𝒊𝒊 '𝒂𝒍𝒃𝒐𝒑𝒊𝒍𝒐𝒔𝒂' FR 754 [Bolivia. Tarija: O'Connor, Narvaez]

 今回最後の種類は、𝑹𝒆𝒃𝒖𝒕𝒊𝒂 𝒇𝒊𝒆𝒃𝒓𝒊𝒈𝒊𝒊 '𝒂𝒍𝒃𝒐𝒑𝒊𝒍𝒐𝒔𝒂' レブチア・アルボピロサ (現在はレブチア・フィエブリギーと同種とされる)という種類。

 花色はシンプルなオレンジ色。レブチアではありふれた色ですが、キレイです。

 この種 (この個体だけかも?)の特徴は、密で長いトゲを生やすこと。レブチアのトゲは痛くない種類が多いですが、これは触るとさすがに痛い。

 フィールドナンバーはFR 754で、ボリビアのタリハ県のナルバエツという場所で採取されたとのこと (Bolivia. Tarija: O'Connor, Narvaez])。

 今回はオレンジ~赤系統の花に偏ってしまいましたが、いかがでしょうか?

 直径6 cmくらいの鉢でも十分に育ち、場所もとらない、でも花はゴージャスでキレイ。栽培もさほど難しくないので、都会でも育てやすいサボテンです。

 次回以降はまた違う花色の種類や、もっと小型の種類を紹介できたらと思います。

(その2へ続く)

tawashiatsume.hatenablog.com

栽培について

 レブチアは春から秋にかけて成長するサボテンです。春は最高気温が20℃を超え始めると成長を開始します。高山に生えるためか、日本の低地の夏には成長を止めることもあります。しかし、基本的には頑丈なサボテンで育てやすいです。

 春から秋は風通しと日当たりの良い場所に置き、表土が乾いて3~7日してからたっぷり水をやる管理でうまく育ちます。夏の暑い時は日陰の風通しの良い場所で栽培した方がよい時もあります (当方では通年同じ場所で育てています)。逆に、日当たりと風通しが悪くて球体が徒長し、場合によっては腐ることもあるので、そういう場合は日当たりと風通しの良い場所へ移動させるとよいでしょう。

 また、レブチア・ピグマエアのように根がニンジンのように太る種類がありますが、そのような種類は水やりの頻度を減らすとうまく育つ場合があります。

 冬は休眠期で日当たり良く雨がかからない場所で管理しましょう。冬もごく少量、水やりをする人もいますが、当方では完全に断水しています (球体がかなり縮みますが、春になると水を吸って膨らみます)。寒さには-5℃ほどまでは耐えるようです。

種の特徴

  (後日記述)