指のような多肉植物、アルギロデルマ・フィッスム
南アフリカに生える多肉植物、𝑨𝒓𝒈𝒚𝒓𝒐𝒅𝒆𝒓𝒎𝒂属 (アルギロデルマ属)の種類を紹介します。
この指のような細長い葉には、一目で惹き付けられる方が多いと思います。
学名は𝑨𝒓𝒈𝒚𝒓𝒐𝒅𝒆𝒓𝒎𝒂 𝒇𝒊𝒔𝒔𝒖𝒎 (アルギロデルマ・フィッスム)と言います。種を買った先では𝑨𝒓𝒈𝒚𝒓𝒐𝒅𝒆𝒓𝒎𝒂 𝒃𝒓𝒂𝒖𝒏𝒔𝒊𝒊という名前でしたが、このような指のような葉を持つ種類は現在では𝑨𝒓𝒈𝒚𝒓𝒐𝒅𝒆𝒓𝒎𝒂 𝒇𝒊𝒔𝒔𝒖𝒎としてまとめられているようです
葉は青白い色味を帯びた緑色で、感触は非常に硬く硬質のプラスチックのようです。プラスチック容器のような色合いと感触が面白い多肉植物ですね。
種から育てて葉が段々と指のような形に
上の写真が種を播いて1年ちょっとの写真です (右の赤い種類は別種です)。
種を播くと、発芽後に円盤のような子葉が発達してきます。
子葉の次に発達する本葉から親株のような青白い葉が生じますが、始めの1対の本葉は半球状の形で、指のような形ではありません。
本種では2対目以降の葉から徐々に縦に長い葉を形成していくようです。
写真を見てみると、小さい個体の葉は丸いカプセルのようですが、少し成長の早い大きな個体はすでに指のように長い葉を出しています。
指のような葉がどんどん増えていく
上の写真は種から育てて3年ほど経過した個体ですが、葉の大きさはわずか3 cmほどで赤ちゃんの指のようです。
葉はこれ以上あまり大きくならず、これ以降は指の本数が増えていくようです。
我が家の栽培環境が過酷なのか、この系統が小型なのか、育てているこれらの個体の葉はこれ以上大きくなりにくいようです。高さ5 cm以上にもなる系統もあるようです。
色々な系統があるようで、花の色にもバリエーションがあります。
写真の個体はまだ未開花ですが、基本的には紫色の鮮やかな花が咲きます。稀に黄色の花やピンク色の花、オレンジ色の花の系統があるようです。
何色の花が咲くかドキドキしながら育てることも、種からの栽培の楽しみの一つです。
年に1回ほどニョッキと「脱皮」する
ところで、本種の南アフリカの自生地は石英の小石が散らばる平原で、冬に雨が降る地帯です。
秋から春の涼しい時期に成長し、雨の降らない夏はほぼ成長しません。
成長期であっても、年に1回ほど葉が「脱皮」するのと花が咲く以外変化に乏しい植物です。
「脱皮」とは、古い葉の中央部からニョッキと新しい葉が生えてきて、新しい葉と入れ替わるようにして古い葉がしぼんで枯れていく現象です。
動物の脱皮とはメカニズムが異なるのですが、外見上は似たような現象に見えるので「脱皮」と呼ぶことが多いです。
少し自生地の話もしましたが、自生地の写真を見ると、青白い葉を沢山つけて生えているようです。葉の色味は栽培下とあまり大差がないみたいです。
夏に少し腐りやすいのですが、栽培下でも野外のような姿を楽しむことができる多肉植物で、見た目も面白いのでオススメです。
栽培について
前述した通り、秋から春にかけて成長する植物で、夏はほとんど成長しません。
秋から春は直射日光のあたる風通しの良い場所で週に1、2回ほど水やりをするとよく育ちます。夏は高温高湿度では少し腐りやすいので、日陰の風通しが良い場所で管理するのがよいでしょう (全く日光があたらなくても枯れます)。夏の水やりは、涼しい日の夕方に1ヶ月に1、2回程度、鉢底から水が出ない量の水やりをする程度にとどめた方が安全です。もしくは、葉にしわがよってから水やりをするとよいでしょう。
水をあげないと、特に夏の期間は、葉にしわがよりますが、乾燥にはある程度強いので問題がないです。
種の特徴
(後日記述)