tawashiatsume

植物、主にサボテン・多肉植物。時々登山、時々お酒。

ウサギの耳のような葉、モニラリア・ピシフォルミス

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𝑴𝒐𝒏𝒊𝒍𝒂𝒓𝒊𝒂 𝒑𝒊𝒔𝒊𝒇𝒐𝒓𝒎𝒊𝒔 (RSA. Western Cape: Quaggaskop)

「ウサギの耳」

 2本の棒状の葉を伸ばす多肉植物、𝑴𝒐𝒏𝒊𝒍𝒂𝒓𝒊𝒂 𝒑𝒊𝒔𝒊𝒇𝒐𝒓𝒎𝒊𝒔 モニラリア・ピシフォルミス。2本の葉はまるでウサギの耳のよう、、、なんてよく言われますが、これは秋の芽出しの時だけです。芽出しの時は葉が2 cmくらいでかわいく、確かにウサギさんのようですが、1ヶ月もするとあれよあれよと伸びてきてウサギさんの面影もなくなります、、、。

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𝑴𝒐𝒏𝒊𝒍𝒂𝒓𝒊𝒂 𝒑𝒊𝒔𝒊𝒇𝒐𝒓𝒎𝒊𝒔、秋の芽出しの時期の様子

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𝑴𝒐𝒏𝒊𝒍𝒂𝒓𝒊𝒂 𝒑𝒊𝒔𝒊𝒇𝒐𝒓𝒎𝒊𝒔、確かにウサギに見えなくもない

キラキラ輝く葉 

 しかし、本種の魅力は生育初期の葉だけではありません。葉に光があたるとキラキラ輝いて見え、とても面白いのです。属名である𝑴𝒐𝒏𝒊𝒍𝒂𝒓𝒊𝒂もネックレスや首飾りを意味するラテン語の'monile'が語源で、このキラキラ輝く葉を宝石で光るネックレスに例えたと言われています。

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𝑴𝒐𝒏𝒊𝒍𝒂𝒓𝒊𝒂 𝒑𝒊𝒔𝒊𝒇𝒐𝒓𝒎𝒊𝒔、伸びきってキラキラ輝く葉

 もう少し葉を拡大してみると、葉の表面が何やら透明な細胞で覆われ、中に緑色の部分が見えます。おそらく、この透明な表面の細胞の層に光があたると、光が乱反射してあたかも輝いているように見えるのでしょう。

 この表層の細胞は糖類を多く含んでいて貯水する機能を持つ細胞だと言われています。乾燥した南アフリカの自生地に住むためには重要な形質の一つです。

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𝑴𝒐𝒏𝒊𝒍𝒂𝒓𝒊𝒂 𝒑𝒊𝒔𝒊𝒇𝒐𝒓𝒎𝒊𝒔、葉の拡大写真

キクのような花が咲く、、、らしい

 𝑴𝒐𝒏𝒊𝒍𝒂𝒓𝒊𝒂 𝒑𝒊𝒔𝒊𝒇𝒐𝒓𝒎𝒊𝒔 モニラリア・ピシフォルミスはメセンブリアンテマム (略してメセン)と呼ばれる植物の1種で、メセンの花はどれもキクに似た花が咲きます。写真の個体は輸入した種子を育てて1年ほどたった個体たちです。モニラリアは種子から花が咲くまでに5、6年は必要なようで、花を見るのはまだ先のようです。

 種子はアメリカ合衆国の有名な農園であるメサガーデンからの輸入したもので、南アフリカ共和国の西ケープ州のクアッガスコップ (Quaggaskop)という場所で採取された系統です。メサガーデンの商品 (商品番号はMG 1780.61)の説明によると、「黄色の花弁に素晴らしい赤色の線が入り、スイカズラのような香りがする」だそうです。楽しみですね!

 栽培について

 𝑴𝒐𝒏𝒊𝒍𝒂𝒓𝒊𝒂 𝒑𝒊𝒔𝒊𝒇𝒐𝒓𝒎𝒊𝒔は冬季に雨が多い地域に自生するため、秋から春にかけて成長し、夏は地上部を枯らして休眠します。成長期は日当たりと風通しが良い場所で表土が乾いたらたっぷり水をあげましょう。特に、苗が小さい時期は水を好みます。休眠期は水をあげずに日陰の風通しがよいところで夏越しをさせます。休眠前には地上部を枯らしますが、枯れたと思って捨てないようにしましょう。

種の特徴

 𝑴𝒐𝒏𝒊𝒍𝒂𝒓𝒊𝒂 𝒑𝒊𝒔𝒊𝒇𝒐𝒓𝒎𝒊𝒔は葉の直径が約4 mmほどまでと他の𝑴𝒐𝒏𝒊𝒍𝒂𝒓𝒊𝒂属の種と比べると細い傾向にあります。また、葉の根本の葉鞘の形がカップのようになっていることが他の種との区別点なようです。花は黄色を基調として、赤や紫、ピンクなど様々な色の線が入ることもあり、この花色も特徴の1つです。