tawashiatsume

植物、主にサボテン・多肉植物。時々登山、時々お酒。

多様な多肉植物、コノフィツム その1

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𝑪𝒐𝒏𝒐𝒑𝒉𝒚𝒕𝒖𝒎 𝒍𝒊𝒎𝒑𝒊𝒅𝒖𝒎 LAV 1422 Namies

多様な多肉植物コノフィツム 𝑪𝒐𝒏𝒐𝒑𝒉𝒚𝒕𝒖𝒎

 かわいい緑色の小さい葉を持つ、今や大人気の多肉植物コノフィツム南アフリカ共和国の西部からナミビア共和国の南部の乾燥地にかけて自生する植物です。乾燥に耐えるために分厚い多肉質の葉を持ち、種によって色や模様、形が様々なので面白いです。

 様々な形態を持つコノフィツムの種類を複数回に分けて紹介したいと思います。

葉の頂点が半透明なコノフィツム

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𝑪𝒐𝒏𝒐𝒑𝒉𝒚𝒕𝒖𝒎 𝒍𝒊𝒎𝒑𝒊𝒅𝒖𝒎 LAV 1422 Namies、葉の頂点がほぼ透明な種類

 コノフィツムの中には、葉の頂点に透明~半透明な部分を持つ種類がいくつかあります。普段見る植物には半透明な部分すらないので、人目を惹く特徴です。

 葉に透明~半透明な部分を持つ種類は、自生地では葉の大部分を地面に埋めて生活する種類です。地面に葉が埋まっていては十分な光が葉に当たりませんが、この透明~半透明な部分を葉の頂点に持つおかげで地面に埋まりながら光合成ができます。葉の頂点だけ地上に出していれば、頂点の透明~半透明な部分から地中の葉の内部まで光が十分差し込んで光合成をすることができるという仕組みのようです。 

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𝑪𝒐𝒏𝒐𝒑𝒉𝒚𝒕𝒖𝒎 𝒓𝒆𝒄𝒐𝒏𝒅𝒊𝒕𝒖𝒎 CR 1326 2km E of Matjiesfontein、小型の種類

 小型の種類、𝑪𝒐𝒏𝒐𝒑𝒉𝒚𝒕𝒖𝒎 𝒓𝒆𝒄𝒐𝒏𝒅𝒊𝒕𝒖𝒎 コノフィツム・レコンディツムは、わずか数 mmしかない葉の頂点が半透明になっていて、自生地では葉のほとんどを砂礫の地面や岩の隙間に埋めて生育しているそうです。

 このような葉を地面に埋めて生育する種類は自生地での発見が困難です。地上に出ている葉の頂点も小石などに紛れています。コノフィツム・レコンディツムのような小型種となれば、より一層見つけにくいでしょう。

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𝑪𝒐𝒏𝒐𝒑𝒉𝒚𝒕𝒖𝒎 𝒑𝒆𝒍𝒍𝒖𝒄𝒊𝒅𝒖𝒎 Saalberg、自生地風にほとんど埋めて栽培中

 𝑪𝒐𝒏𝒐𝒑𝒉𝒚𝒕𝒖𝒎 𝒑𝒆𝒍𝒍𝒖𝒄𝒊𝒅𝒖𝒎 コノフィツム・ペルシドゥムは、系統によって葉の色が緑色~灰褐色~茶褐色、葉の頂点の模様の差も幅広い種類です。写真のSaalbergという地点で採取された系統は、葉は黒味を帯び、葉の頂点は半透明な部分が複雑な模様を作り出しています。

 この個体を試しに地面に埋めて栽培していますが、完全ではないものの自生地ぽく見えませんか?地面に埋まって目立たない姿は、花でも咲かない限り発見できなさそうです。

葉の頂点の模様が複雑な種類

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𝑪𝒐𝒏𝒐𝒑𝒉𝒚𝒕𝒖𝒎 𝒑𝒆𝒍𝒍𝒖𝒄𝒊𝒅𝒖𝒎 var. 𝒕𝒆𝒓𝒓𝒊𝒄𝒐𝒍𝒐𝒓 SH 1956 Nuweputs、太い線の模様がチャーミング

 前述した通り、コノフィツム・ペルシドゥムは葉の色や模様といった形態の差が幅広いです。

 𝑪𝒐𝒏𝒐𝒑𝒉𝒚𝒕𝒖𝒎 𝒑𝒆𝒍𝒍𝒖𝒄𝒊𝒅𝒖𝒎 var. 𝒕𝒆𝒓𝒓𝒊𝒄𝒐𝒍𝒐𝒓 コノフィツム・ペルシドゥムのテッリコロール変種のSH 1956というフィールドナンバーついた系統だと、石のような灰褐色の葉に太い半透明な線の模様が入ります。コウモリの翼のようという人もいます🦇

 

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𝑪𝒐𝒏𝒐𝒑𝒉𝒚𝒕𝒖𝒎 𝒑𝒆𝒍𝒍𝒖𝒄𝒊𝒅𝒖𝒎 var. 𝒏𝒆𝒐𝒉𝒂𝒍𝒍𝒊𝒊 SB 628 Deurdrift、こちらは細い線の複雑な模様

 𝑪𝒐𝒏𝒐𝒑𝒉𝒚𝒕𝒖𝒎 𝒑𝒆𝒍𝒍𝒖𝒄𝒊𝒅𝒖𝒎 var. 𝒏𝒆𝒐𝒉𝒂𝒍𝒍𝒊𝒊 コノフィツム・ペルシドゥムのネオハリー変種のSB 628というフィールドナンバーがついた系統だと、白色を帯びる葉に細い半透明な線で複雑な模様なが描かれています。個人的には、脳みそのように見えます。

  このように、葉に透明~半透明な部分がある種類は、その透明~半透明な部分自体も興味深いですが、それらによって作り出される模様も興味深いものです。また、地面に埋まって育つ生態も考えながら栽培すると、その不思議な姿の意味も見えてくるのではないでしょうか。

 栽培について

 葉に透明~半透明な部分がある種類は、地面に葉を埋めて自生する種類で、多くは日射が強い自生環境なようです。生育期である秋から春は、強い日射の元で風通しよく栽培しています。休眠期の夏は、断水気味に管理して風通しのよい明るい日陰に置いています。夏は完全に断水しない方が秋からの生育がスムーズな気がします。

 コノフィツム・レコンディツムなど葉が小さい種類は、夏でもあまり断水せずに、週に1, 2回涼しい日に水を少量あげています。葉が2 cmほどの種類では頻度や量をもっと減らしています。夏の水やりの頻度や量は、栽培環境や方法によって特に様々であると思います。